出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2015-01-15から1日間の記事一覧

混住社会論92 佐藤洋二郎『河口へ』(集英社、一九九二年)

前回の佐藤泰志の『海炭市叙景』とほぼ時代を同じくして、やはり炭鉱を故郷とする青年の物語が提出されていた。しかも『すばる』という掲載誌や単行本化も同様だった。それは佐藤洋二郎の『河口へ』である。ここで取り上げたいのは同書所収の四作のうちの「…