出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2015-06-19から1日間の記事一覧

混住社会論109 ピエール・ブルデュー『住宅市場の社会経済学』(藤原書店、二〇〇六年)と矢崎葉子『それでも家を買いました』(大田出版、一九九〇年)

一九六〇年代半ばに書かれた庄野潤三の『夕べの雲』には明らかに「一戸建て」の思想が見てとれた。だが八〇年代から九〇年代を背景とする宮部みゆきの『理由』になると、家を建てるという一戸建ての時代は後退し、マンションを買うというハビトゥスが時代の…