18年9月の書籍雑誌推定販売金額は1215億円で、前年比5.4%減。
書籍は682億円で、同5.3%減。雑誌は533億円で、同5.6%減。
雑誌の内訳は月刊誌が446億円で、同4.5%減、週刊誌は86億円で、同10.4%減。
返品率は書籍が32.3%、雑誌が39.8%で、月刊誌は39.4%、週刊誌は41.9%。
月刊誌の返品率が40%を割ったのは今年で初めてだが、これはコミックスの返品の大きな減少に拠っている。しかし週刊誌は高止まりしたままだ。
書店店頭売上は書籍3%減、定期誌4%減、ムック12%減、コミックス10%増である。
コミックスは『ONE PIECE』90巻や『SLAM DUNK』15-20巻が牽引したこと、「ジャンプコミックス」などの値上げも大きいとされる。
この数字からだけでは10月の台風24号の影響はうかがえないけれど、11月に持ちこされているのかもしれない。
前回の本クロニクルは台風24号の襲来の最中に更新されたが、今回は皮肉なことに、まさに「本の日」に更新となる。
1.出版科学研究所による18年の1月から9月にかけての出版物推定販売金額の推移を示す。
月 | 推定総販売金額 | 書籍 | 雑誌 | |||
(百万円) | 前年比(%) | (百万円) | 前年比(%) | (百万円) | 前年比(%) | |
2018年 1〜9月計 | 976,228 | ▲7.0 | 541,102 | ▲3.5 | 435,126 | ▲11.0 |
1月 | 92,974 | ▲3.5 | 51,751 | 1.9 | 41,223 | ▲9.5 |
2月 | 125,162 | ▲10.5 | 77,362 | ▲6.6 | 47,800 | ▲16.3 |
3月 | 162,585 | ▲8.0 | 101,713 | ▲3.2 | 60,872 | ▲15.0 |
4月 | 101,854 | ▲9.2 | 53,828 | ▲2.3 | 48,026 | ▲15.8 |
5月 | 84,623 | ▲8.7 | 43,305 | ▲8.8 | 41,318 | ▲8.5 |
6月 | 102,952 | ▲6.7 | 53,032 | ▲2.1 | 49,920 | ▲11.2 |
6月 | 102,952 | ▲6.7 | 53,032 | ▲2.1 | 49,920 | ▲11.2 |
7月 | 91,980 | ▲3.4 | 43,900 | ▲6.0 | 48,079 | ▲0.8 |
8月 | 92,617 | ▲9.2 | 48,024 | 3.3 | 44,593 | ▲12.8 |
9月 | 121,482 | ▲5.4 | 68,186 | ▲5.3 | 53,295 | ▲5.6 |
18年もあますところ2ヵ月となったが、9月までの出版雑誌推定販売金額は9762億円で、同7.0%減、前年比マイナス728億円である。
17年10、11、12月の前年比は7.9%、7.8%、10.9%減という落ちこみなので、18年のマイナスも9月までの7.0%減を想定してみる。すると18年は959億円のマイナスで、1兆2741億円となり、ついに1兆3000億円を割ってしまうことになる。
これはピーク時の1996年の2兆6980億円の半減をさらに下回る販売金額で、19年は1兆2000億円すらも割っていくことも考えられる。
すでに取次の赤字はカミングアウトされているし、大手出版社の苦境はいうまでもなく、大手書店の店舗リストラも進められている。それは現在の出版流通販売市場の危機の臨界点を示している。
このまま何もなく新しい年を迎えられるのかという状況の只中に、出版業界は置かれていると見なすしかない。
2.『日経MJ』(10/12)によれば、アメリカの大型書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルはアマゾンなどの影響で業績が低迷し、身売りを前提とする経営戦略のための特別委員会を組織。
2011年には同業のボーダーズが経営破綻し、バーンズ・アンド・ノーブルが唯一の上場企業となっていた。だが同社の18年の売上高は36億ドルで、ピークの12年の71億ドルから半減し、店舗数も08年の726店から18年には630店に縮小し、18年5月~7月期の最終損益は1700万ドルの赤字となっていた。
日本の大型書店がバーンズ・アンド・ノーブルなどを範としてきたことはいうまでもないだろう。そのビジネスモデルがアメリカ本国において、ついに破綻してしまったのである。そしてその売上高の半減は日本の出版業界と重なるものだ。
折しもほぼ同時に、アメリカのデパートのシアーズとその子会社のディスカウント店Kマートの経営破綻が伝えられている。これはアメリカ小売業としては過去最大の負債で、100億ドル超と推測される。
シアーズにしても、ウォルマートやホームデポとの競合に加え、ネット通販による消費者の変化に対応できなかったことが指摘されている。
日本の消費社会はアメリカをモデルとしたものであり、小売業界においても、アメリカで起きたことは日本でも反復されていくことは確実で、日本の場合にはどのようなかたちで表出してくるのだろうか。
3.丸善ジュンク堂は丸善池袋店と津田沼店に、レゴ®スクールをオープン。
レゴ®スクールは2006年に設立され、全国で30教室を展開し、同社認定インストラクターによる少人数制カリキュラムを特色としている。
前回のクロニクルで、ジュンク堂旭川店の売場の半減を伝えておいたが、「地方・小出版流通センター通信」(No・506)によれば、「丸善ジュンク堂チェーンの規模縮小、及びレイアウト変更」は札幌店、三宮店、南船橋、津田沼店、松山店にも及び、「これに伴い返品が発生」することは必至である。ブックファースト大井町店の閉店も伝えられている。
これに津田沼店の名前も挙がっているように、レゴ®スクールなどが誘致されているのだろう。単なる家賃の補足手段か、「事業領域の拡大」なのかは、今後の動向を見るしかないと思われる。
4.台湾の大手書店「誠品書店」グループで、台湾の雑貨と書籍を扱う「誠品生活」が、2019年に日本橋に開業する三井不動産の物販とオフィスの複合商業施設「コレド室町テラス」に雑貨店として出店。
「誠品生活日本橋」は、三井不動産との合弁会社を設け、そこからライセンス供与を受けた有隣堂が運営する。
本クロニクル120で、有隣堂の東京ミッドタウン日比谷にオープンした「HIBIYA CENTRAL NARKET」を既述しておいた。
これらはもはや脱書店モデルの模索であり、「誠品生活」もその一環と見なすべきであろう。大手書店チェーンからして、雑誌や書籍から離れていこうとしている。
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5.トーハンが初めて手がける文具専門店「伊勢治」を新装オープン。
伊勢治書店が経営を担い、その旧本店跡地に建設されたマンションの1階、56坪で、江戸時代からの老舗イメージを生かす店舗デザインにより、文具、画材などを揃える。
『出版状況クロニクルⅣ』で、2015年の伊勢治書店の「囲い込み」をレポートしておいた。ここにその後の推移が意図せずして伝えられている。トーハンは伊勢治書店旧本店跡地にマンションを建設することで、不良債権を清算しようとし、その一方で伊勢治書店に文具専門店「伊勢治」を残したとも推測できる。
つまりここに本クロニクル124で示しておいたトーハンの取次としての文具事業、及び不動産プロジェクトという「事業領域の拡大」を見ることもできよう。しかし書店清算とこれらの事業の三位一体の行方はどうなるのか。これもいずれ明らかになるだろう。
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6.中小書店の協業会社NET21の会員書店である埼玉の熊谷市の藤村書店が事業を停止し、破産手続きを申請。
藤村書店は1947年に創業し、教科書販売も手がけ、熊谷、秩父、立正大学キャンパス店を有していた。
17年の矢尾百貨店内の秩父店閉店などにより、売上減少と事業継続が困難になり、取次にも支払不能となっていたようだ。
その秩父店で3年間店長を務めていた那須ブックセンターの谷邦弘が、『新文化』(10/11)に「藤村書店の倒産に思う」という一文を寄稿している。それによれば、社長は週100時間以上働き、その両親、叔父、叔母と一家総出で、人件費も抑えていたという。
これを読んで、本クロニクル118でふれた幸福書房の閉店を想起してしまった。一家で一生懸命働いても報われないどころか、破産に至ってしまう中小書店の現在を浮かび上がらせていよう。
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7.日販子会社の精文館書店の決算は売上高196億円、前年比0.3%増の微増減益。
既存店は「書籍・雑誌」「レンタル部門」が前年を下回ったが、新規店のTSUTAYA 東大宮店(900坪)、一宮南店(376坪)が売り上げに貢献したとされる。
しかし私が見ている精文館は、以前の文具部門が縮小され、UFOキャッチャーが置かれるようになった。その一方で、出版物にしてもレンタルにしても、明らかに低迷していることが伝わってくる。
それに精文館の外看板だけは残っているが、レシートはTSUTAYAとあるだけで、精文館とTSUTAYAの関係も、FCだけでなく、日販とMPDも介在し、複雑に絡み合い、再編が進められているのかもしれない。
8.日本レコード協会によれば、2018年6月末時点で、全国の音楽CDレンタル店数は2043店、前年比6%減。
店舗数の減少は21年連続で、1989年のピーク時の6213店と比べ、3分の1の水準に落ちこんでいる。定額聞き放題の音楽配信サービスの広がりもあり、2000店割れも時間の問題となっている。
ただ店舗数が減る一方で、大型店が増え、音楽CD在庫が1万5000枚以上の大型店の比率は71.9%に上る。
これらの事実はTSUTAYAやゲオの複合店や大型店のシェアが高まり、そのCD、DVDレンタル市場に対して、音楽配信サービスだけでなく、動画配信サービスも攻勢をかけて広がり、2000店割れに迫っていることになろう。それは複合大型店への逆風がさらに続いていくことを意味している。
9.ブックオフグループホールディングスは同社を株式移転設立完全親会社、ブックオフコーポレーションを株式移転完全子会社とする単独株式移転を行ない、10月1日付で新会社として発足。
簡略にいえば、グループの純粋持株会社設立、及びブックオフの子会社化ということになるし、リユース業界の急速な変化、多様化する顧客ニーズへの対応、そのための事業再編が謳われている。
だがブックオフの成長を支えたのはFCシステムによる店舗増に他ならず、そのことから考えてみても、もはや成長は望むことができず、子会社化させ、切り離したとの見方も可能である。
これからのブックオフFC店はどうなるのだろうか。
10.『日本古書通信』(10月号)で、岡崎武志が「昨日も今日も古本さんぽ」96において、「ブックセンターいとう 星ヶ丘店」の閉店にふれ、「どれだけリサイクル系大型古書店『ブックセンターいとう』の閉店を見てきたことか」と書いている。そして近年の恋ヶ窪、青梅、中野島、立川羽衣、西荻、西荻窪、聖蹟桜ヶ丘の撤退を上げ、「秋の枯葉が舞い落ちるような凋落ぶりだ」と述べている。
それに続いて、ブックオフの撤退も多く、「疲弊が目立つ」し、セドラーも見かけなくなったことにも言及している。
「ブックセンターいとう」の経営者とは面識があるけれども、店舗は見ていないので何もいえないが、ブックオフに関しては同感である。それが9の完全子会社化ともリンクしているはずだ。
『日本古書通信』同号はこの他に、船橋治「みすず書房『現代史資料』(1)~(3)・ゾルゲ事件(一)~(三)の原本を発見する」や折付桂子「東北の古本屋(5)福島県」が興味深く、印象に残る。特に後者は故佐藤周一『震災に負けない古書ふみくら』(「出版人に聞く」6)の現在もレポートされ、佐藤夫人の元気な姿も伝わってきた。もう十年以上お会いしていないけれど、お達者で何よりだ。
11.三和図書から、次のような「取次部門業務終了のお知らせ」が届いた。
さて、突然ではございますが、この度、株式会社三和図書は諸般の事情により
10月末日を目途に取次部門の業務を終了する運びとなりました。
長年にわたるご支援ご芳情に心から御礼申し上げますとともに
ご迷惑をおかけする結果となりましたことをお詫び申し上げる次第でございます。
尚、お支払いについては書店様からの返品を入帳後、請求書を送付して頂いたうえで
清算をさせて頂きたいと存じます。
事情ご賢察の上、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
三和図書は1950年設立で、文芸書を主としていたが、またしても神田村取次を失うことになる。もはや取次の店売風景も過去のものと化しているのであろう。
『出版状況クロニクルⅣ』において、1999年から2008年にかけての取次受難史を示しておいた。それらに加え、『出版状況クロニクルⅤ』でも、さらに続く東邦書籍、栗田出版販売、大阪屋、太洋社、日本地図共販の退場もたどってきている。
出版社や取次ばかりでなく、取次も消えていったことを実感してしまう。
12.『出版ニュース』が来年3月下旬号で休刊。
同誌は1941年に創刊され、49年に発行所の日配より、出版ニュース社が引き継いでいるので、75年にわたって出されてきたことになる。
公称部数は4300部だが、近年は赤字続きで、部数も低下していたとされる。
『出版ニュース』と本クロニクルなどとの関係について、いくつもいいたいことはある。だがそれよりも、年度版『出版年鑑』や『日本の出版社・書店』の刊行、それらに基づく様々なデータの公開、海外出版ニュースなどの行方が気にかかる。
その一方で、神田神保町に出版クラブビルが完成し、書協、雑協、日本出版クラブ、JPOなどが一堂に入居することになると報道されているが、そこに出版ニュース社がないのは象徴的なことのような気がするからだ。
もはや『出版ニュース』は必要とされていないことを告げているし、それは書評紙や出版業界紙にも及んでいくであろう。
13.リンダ・パブリッシャーズが倒産、負債は3億4000万円。
この版元は未知だったので調べてみると、処女出版が『おっぱいバレー』で、本は読んでいないが、映画は見ている。このように映画の原作となる書籍の出版を手掛け、『恋する日曜日 私。恋した』や『99のなみだ』などを刊行していた。
またCCCのトップ・パートナーズの出資を受けていたが、ヒット作が続かず、資金繰りが悪化し、赤字決算が続いていたとされる。
14.旧商号を潮書房光人社とするイノセンスが倒産。
2006年には年商6億1000万円が16年には3億6000万円となり、今年に解散を決議した。負債は3億8000万円。
『出版状況クロニクルⅤ』で、出版事業は会社分割された潮書房光人新社に引き継がれ、産経新聞出版グループ傘下に入ったことを既述しておいた。
また本クロニクル120で、旧商号をキネマ旬報社とするケージェイの破産、船井メディアの清算も伝えているが、イノセントも同じ道をたどったことになる。
出版事業を売却し、本業を失い、清算会社として残された出版社は、このような破産や清算という道筋を選ぶしかないのだろう。
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15.日本新聞協会の2017年新聞社総売上高推計調査によれば、日刊新聞社92社の総売上高は1兆7122億円で前年比3.1%減と6期連続マイナスで、販売収入も初めて1兆円を割る9900億円、前年比3.0%、309億円減となった。
いうまでもなく、1兆円を割ったということは、新聞の売上部数も減少している。
これは本クロニクルで繰り返し書いているが、チラシを打てない書店にとって、代わりに新聞が雑誌や書籍の宣伝を毎日掲載していることで、読者の確保と集客が可能であるのだ。
しかしそのような新聞と出版社と書店の蜜月も昔話になっていきつつあるのだろう。新聞に書評が出ても、ほとんど反響もないし、売れない時代に入って久しいし、もはや電車で新聞を読む人を見ることもないのである。
16.光文社が11月19日発売の尾崎英子『有村家のその日まで』(本体1700円)において、「責任仕入販売、報奨企画」を実施し、初回搬入分の70%以上を販売した書店に1冊170円の報奨金を支払う。
これは光文社が事前注文を促進し、効率的な書籍販売を模索する実験で、参加申し込み先着100店に限定して実施。
初版4000部、初回10冊以上の事前注文に対し、70%以上の実売に報奨金が支払われる。
どこの実用書版元だったか思い出せないのだが、かつて一冊につき10円の報奨金が支払われるスリップがついていた。これは前世紀のことだったけれど、よくぞ踏み切ったという印象があった。
しかし1冊につき定価の170円の報奨金とは予想もしていなかったし、面白い試みだと思う。書店の取り組みと販売の実態を見守ることにしよう。
17.『選択』(10月号)が「マスコミ業界ばなし」で、『新潮45』の休刊にふれ、次のように書いている。
同誌編集部の停滞ぶりはひどく、部員六人の平均年齢は五十歳超。今春には二十代の社員が退職、三十代の女性社員も異動となり、残るは定年間近の人間ばかり。当該の問題記事についても「編集長の独断で、部内で特に議論もなかったようだ」と別の社員は呆れる。
新潮社は約四百人いる社員を、今後十年で約百人減らす方針だ。九月二十五日に発表された『新潮45』の休刊にかこつけて、「この際、雑誌もろとも、編集部員も無きものに」との非情な声も聞かれる。
『新潮45』の休刊をめぐっては事後に喧しいが、このように社内事情が絡み、それを機として、新潮社はリストラの道を歩んでいくことになるだろう。
18.『FACTA』(11月号)が「『海賊版対策』一人燃えるカドカワ」と題し、「通信の秘密や表現の自由を脅かす」ブロッキングの法制化の攻防内幕をレポートしている。
それによれば、導入推進派の急先鋒はカドカワの川上量生社長である。それに対し、講談社の野間省伸社長は「明らかにトーンダウン」し、一ツ橋グループ(小学館、集英社)は「静観の構え」、カドカワの角川歴彦会長は「ブロッキングに反対」とされている。
この川上の急先鋒の理由は、経産省官僚であるその夫人の「経産省におけるキャリアパスを意識した援護射撃と考えることもできる」と指摘されている。
そして「官邸サイドが、ブロッキングの法制化を一旦棚上げしないことには、不毛な議論が続くばかりで出口は見えてこない」と結ばれている。
前回のクロニクルでも、このサイトブロッキング問題にふれ、その「超法規処置」に疑念を呈してきたが、この一文を読むと、まさに「忖度」に他ならず、何をかいわんやという気にさせられる。しかもこうした記事は直販誌でなければ読むことができないからだ。
19.今月は訃報がふたつ届いた。
ひとりは青蛙房の岡本修一で、本クロニクルの愛読者、ふたり目は元出版芸術社の原田裕で『戦後の講談社と東都書房』(「出版人に聞く」14)の著者である。
岡本はまだ69歳だったが、原田は90歳半ばで、天寿を全うしたといえよう。
二人とその出版社に関して、一文をしたためるつもりなので、とりあえず、ここに二人の死だけを記しておく。
20.『金星堂の百年』が出された。
待望の初めて編まれた社史で、近代出版史と文学史の空白を埋める一冊といっていい。いずれの研究者も必携である。
それに拙著『古本探究Ⅱ』が参考文献に挙げられていることに驚いた次第だ。
21.風船舎古書目録第14号『特集 楽隊がやってきた 日本近代音楽120年史抄』が届いた。門外漢ではあるけれど、520ページに及ぶ、音楽関係者必見のすばらしい目録である。
これもそのことだけを書きつけておく。
22.高須次郎の 『出版の崩壊とアマゾン』は11月中旬刊行予定。
論創社HP「本を読む」㉝は「河出書房新社『人間の文学』『今日の海外小説』と白水社『新しい世界の文学』」です。