出版状況クロニクル50(2012年6月1日〜6月30日)
今年もすでに半年が過ぎた。
出版危機は相変わらず深刻化する一方であるが、表面的には大きな倒産は起きていない。いわば擬似的な凪の状態に置かれているといっていい。しかしそれが嵐の前の静けさという不気味な感じにも包まれている。
そのかたわらで、危機の救済を喧伝するかのような電子書籍狂騒曲が奏でられ、報道も過熱してきている。それはバブルに他ならず、追いつめられた出版業界のヴァニティフェアのように映る。
本クロニクルでも今年は正念場ではないかと既述してきた。台風の季節も近づいてきている。後半は何が起きるのだろうか。
1.出版物販売金額の推移に関しては、主として出版科学研究所のデータを使ってきた。これは取次出荷額から書店の返品率を引いた販売額であるが、毎年の『出版年鑑』に基づく実売金額も挙げておく。こちらは『出版ニュース』(6/下)に掲載されている。
年 | 新刊点数 (万冊) | 書籍 実売総金額 (万円) | 書籍 返品率 (%) | 雑誌 実売総金額 (万円) | 雑誌 返品率 (%) | 書籍+雑誌 実売総金額 (万円) | 前年度比 (%) |
1996 | 60,462 | 109,960,105 | 35.5% | 159,840,697 | 27.0% | 269,800,802 | 3.6% |
1997 | 62,336 | 110,624,583 | 38.6% | 157,255,770 | 29.0% | 267,880,353 | ▲0.7% |
1998 | 63,023 | 106,102,706 | 40.0% | 155,620,363 | 29.0% | 261,723,069 | ▲2.3% |
1999 | 62,621 | 104,207,760 | 39.9% | 151,274,576 | 29.9% | 255,482,336 | ▲2.4% |
2000 | 65,065 | 101,521,126 | 39.2% | 149,723,665 | 29.1% | 251,244,791 | ▲1.7% |
2001 | 71,073 | 100,317,446 | 39.2% | 144,126,867 | 30.3% | 244,444,313 | ▲2.7% |
2002 | 74,259 | 101,230,388 | 37.9% | 142,461,848 | 30.0% | 243,692,236 | ▲0.3% |
2003 | 75,530 | 96,648,566 | 38.9% | 135,151,179 | 32.7% | 231,799,715 | ▲4.9% |
2004 | 77,031 | 102,365,866 | 37.3% | 132,453,337 | 32.6% | 234,819,203 | 1.3% |
2005 | 80,580 | 98,792,561 | 39.5% | 130,416,503 | 33.9% | 229,209,064 | ▲2.4% |
2006 | 80,618 | 100,945,011 | 38.5% | 125,333,526 | 34.5% | 226,278,537 | ▲1.3% |
2007 | 80,595 | 97,466,435 | 40.3% | 122,368,245 | 35.3% | 219,834,680 | ▲2.8% |
2008 | 79,917 | 95,415,605 | 40.9% | 117,313,584 | 36.3% | 212,729,189 | ▲3.2% |
2009 | 80,776 | 91,379,209 | 41.1% | 112,715,603 | 36.1% | 204,094,812 | ▲4.1% |
2010 | 78,354 | 88,308,170 | 39.6% | 109,193,140 | 35.4% | 197,501,310 | ▲3.2% |
2011 | 78,902 | 88,011,190 | 38.1% | 102,174,950 | 36.0% | 190,186,140 | ▲3.7% |
[出版科学研究所の数字と差は生じているものの、96年をピークとして落ち続けていることは同様である。しかもマイナスは8000億円とほぼ同じで、『出版年鑑』が示している実売総金額からも出版危機の現実は明らかだろう。
返品率を見れば、書籍は高止まりし、雑誌もほとんど変わらない数字であり、再販委託制の自縄自縛の構造によって追いつめられていることを物語っている。
とりわけ販売金額が落ち続けることとパラレルに、上がり始めた雑誌の返品率は、それ以前に比べて異常な数字になっているというべきだ]
2.日販とトーハンの上半期ベストセラーが発表されたので、それを示す。
日販 | トーハン | 書名 | 著者 | 出版社 | 定価 |
1 | 1 | 体脂肪計タニタの社員食堂 続・体脂肪計タニタの社員食堂 | タニタ | 大和書房 | 各1,200円 |
2 | 2 | 人生がときめく片づけの魔法 | 近藤麻理恵 | サンマーク出版 | 1,470円 |
3 | 3 | 大往生したけりゃ医療とかかわるな | 中村仁一 | 幻冬舎 | 798円 |
4 | 5 | 舟を編む | 三浦しをん | 光文社 | 1,575円 |
5 | 6 | 謎解きはディナーのあとで(1・2) | 東川篤哉 | 小学館 | 各1,575円 |
6 | 8 | 日本人の知らない日本語(3) | 蛇蔵、海野凪子 | メディアファクトリー | 924円 |
7 | 4 | 50歳を超えても30代に見える生き方 | 南雲吉則 | 講談社 | 920円 |
8 | 11 | 心を上手に透視する方法 | トルステン・ハーフェナー/福原美穂子訳 | サンマーク出版 | 1,575円 |
9 | 9 | 采配 | 落合博満 | ダイヤモンド社 | 1,575円 |
10 | 7 | 「空腹」が人を健康にする | 南雲吉則 | サンマーク出版 | 1,470円 |
11 | 10 | かいけつゾロリ はなよめとゾロリじょう | 原ゆたか | ポプラ社 | 945円 |
12 | 13 | 下山の思想 | 五木寛之 | 幻冬舎 | 777円 |
13 | − | 「折れない心」をつくるたった1つの習慣 | 植西聰 | 青春出版社 | 1,000円 |
14 | 12 | 恋物語 | 西尾維新 | 講談社 | 1,365円 |
15 | 13 | 共喰い | 田中慎弥 | 集英社 | 1,050円 |
16 | 14 | 不滅の法 | 大川隆法 | 幸福の科学出版 | 2,100円 |
17 | 18 | 聞く力 | 阿川佐和子 | 文藝春秋 | 840円 |
18 | − | 女性に贈る100文字の幸福抄 | 池田大作 | 主婦と生活社 | 1,260円 |
19 | 16 | 座るだけ! 骨盤クッションダイエット | 福辻鋭記 | 新星出版社 | 1,155円 |
20 | − | ナミヤ雑貨店の奇蹟 | 東野圭吾 | 角川書店 | 1,680円 |
− | 15 | 6時間でできる!2ケタ×2ケタの暗算 | 岩波邦明、押田あゆみ | 小学館クリエイティブ | 900円 |
− | 17 | こびと大百科 | なばたとしたか | 長崎出版 | 1,575円 |
− | 20 | モンスターハンター3G 3DS版GREAT TRIAL BOOK | Vジャンプ編集部 | 集英社 | 1,200円 |
[このベストセラー表を見て、絶句してしまうのは私だけではないはずだ。これは日本の出版業界の実態を知らしめている。出版社も取次も書店も、結果としてこのような市場を出現させるべく邁進してきたのであり、それが失われた十数年の内実だったのだ。
大半が実用書や自己啓発書であることは何を物語っているのだろうか。それは余裕のない現在の日本の社会の鏡といえる。小説にしてもコミックにしても、本来は無用の用だし、役に立たないことを前提として読まれ続けてきた。ところがこれらのベストセラーに表われているのは、すぐに役立つことを目的とする本ばかりで、ちなみにアマゾンのベストセラー10のうちの5点がダイエット本だったという。そうか、もう30年以上前のことになってしまったのかと思ったのは、村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』(講談社文庫)の出版年が1980年だったからだ。確か上位ではなかったにしても、これもその年のベストセラーに入っていたはずだ。
『コインロッカー・ベイビーズ』の主人公の一人であるキクは、破壊の呪文として教えられた「ダチュラ」という言葉を調べるために、「大きな本屋」に入って、店員にどうやって調べたらよいのかを問い合わせると、専門的な学術用語だから、大きな分野別用語辞典の索引を調べるようにと教えてくれた。その後のシーンを引いてみる。「一体どんな言葉を捜しているんですか? 『ダチュラ』キクは答えた。どこの言葉なのかはわからないんだよ。店員は(中略)あれ、これなのかなあ、と声を上げた。(中略)DATURA、ダチュラとも言うのかな、朝鮮アサガオのことらしいですね、(中略)あ、毒物って説明がありますね。(中略)
毒物かあ、と呟いた店員は、緑色の表紙の薄い本を箱から出した。背表紙には精神発現薬総覧、と書かれている。索引で「ダチュラ」を捜す。あったぞ!と店員は叫んだ。」
キクはその本を買い、実際にダチュラを南島で手に入れるのだ。80年に近未来小説として刊行された『コインロッカー・ベイビーズ』を再読すると、この作品にこめられたメタファーに様々な感慨をそそられるが、それについて論じる場ではないので、ここで止める。
ただここに描かれた書店も店員も、当時はリアルな存在として想定されていたことを指摘したい。村上にとってもそのようなトポスとして書店、媒介者としての店員のイメージがあったからこそ、このようなシーンが出現したといえよう。
しかしそのような時代もはるかに過ぎ去ってしまったことを、このベストセラー表は物語って余りある]
(新装版)
3.トーハンの決算は売上高5039億円で、前年比3%減。経常利益は32億円で、同2.5%増。当期純利益は15億円で、同14.2%減。
4.日販の決算は売上高5895億円で、前年比2.1%減。経常利益は41億円で、同8.4%増。当期純利益は19億円で、同43%増。
5.MPDの決算は売上高2094億円で、前年比0.1%増。経常利益は13億円で、同45.2%増。当期純利益は9億円で同27.8%増。
6.大阪屋の決算は売上高1199億円で、前年比5.5%減。当期利益は前期の赤字から1億2300万円を計上。
[大手取次の決算が出揃ったことになる。
01年の売上高はトーハンが7001億円、日販が7441億円であったわけだから、この失われた十数年で2社も3500億円余の売上減である。これは今年の大阪屋の売上高の3倍にあたる。それゆえに二大取次の減収もまた出版業界の危機をそのまま反映している。
MPDは前年を上回り、大幅な増収となっているが、明らかに売上は頭打ちであり、TSUTAYAのFCとレンタル市場の内実が問われ、来年は減収必至だと見ていいだろう。
アマゾンとジュンク堂との関係から、大阪屋は書籍シェアが66%に及び、利益が上がる収益構造になっていないことが、この数年の決算からわかる。鈴木書店も同じ構図であったからこそ、破産へと追いこまれたのである。
とりあえず、トーハンも大阪屋も日販にならって総量規制に向かうであろうが、それは根本的改革ではなく、さらに出版社の資金繰りを窮地へと追いやることになろう]
7.ジュンク堂の決算は売上高511億円で、前年比7%増だが、販管費が134億円と同12.4%増のために赤字となり、当期純損失は11億円。
8.三洋堂の決算は売上高276億円で、前年比1.2%減。経常利益は6億円で、前年比95.4%増。当期純利益は1億円で、前期の赤字から回復。
9.未来屋書店の決算は売上高480億円で、前年比2.1%増。経常利益は15億円で、同7.8%増。当期純利益は6億円で、同13.5%減。
[業態の異なる書店の決算を並べてみた。
ジュンク堂は書籍比重の高い都市型書店、三洋堂は郊外店を中心とし、雑貨や古本やレンタルを組み合わせたブックバラエティストア化を推進し、未来屋はショッピングセンター内書店と区別できよう。皮肉なことに大阪屋と同様に、書籍比重が高いほど書店も赤字になってしまう例がジュンク堂であり、三洋堂は複合化をさらに進めたことで黒字転換し、集客率が高く、雑誌、コミック、ベストセラーを多く売っている未来屋が最も利益を上げているという構図を見せつけている。
したがって時限再販などにより、書籍を売ることが利益を上げるような改革がなされない限り、未来屋のような書店が増加し、2で示したベストセラー状況がさらに加速化していくだろう。
またこの三洋堂の加藤和裕社長は、DVDなどのレンタル部門は将来なくなることを前提にして、いかに撤収するか、それがゼロになっても生き残る戦略が必要だと語っている。
なおヴィレッジヴァンガードも中高年層を主要顧客にすえた新業態店「ホームカミング」を出店し、50店に拡大予定]
10.前出のような取次と書店状況の中で、コンビニ大手5社だけで、今期は3700店の出店が計画され、毎日10店が開店し、5万店に達する勢いである。
[コンビニの占める出版物売上高は01年の5千億円から落ち続け、11年には3千億円を割ってしまっている。この間のコンビニ数は4万店から4万6千店強にまで増加していたが、もし5万店を超えた場合、さらに減り続けるであろう書店の4倍以上の数になるだろう。
出版物販売額が減少する中でのコンビニの大量出店に対して、書店はすでに1万5千店を割ってしまい、対照的な位置にいる。そしてさらに書店が減っていけば、コンビニが雑誌販売インフラとして最強ということになりかねない。出版業界にとって本当にそれでいいのだろうか]
11.トーハンは明屋書店の株式40.8%を取得し、筆頭株主となり、グループ傘下に収める。明屋は84店を運営するナショナルチェーンで、昨年度の売上高は167億円。
[実質的にトーハンによる明屋の買収で、明屋は当然のことながら帖合変更も含め、トーハンの子会社となったと考えていいだろう。
しかし株式取得金額は明らかにされていないし、明屋の経営状態はどうなっていたのだろうか。トーハンに買収されるまでには日販との様々な交渉もあったと思われるが、それらの真相が明らかになるのはしばらく後になるだろう]
12.トーハンは財務顧問の藤井武彦が代表取締役社長、現社長の近藤敏貴が副社長に就任するという社長交代を発表。
それに伴い、山崎厚男会長、上瀧博正取締役相談役などは退任。
[この社長交代に関して、『FACTA』7月号が「『トーハンの上瀧天皇』82歳退任の舞台裏」なる記事を掲載している。
それによればトーハンは日販との競合でここ数年経営不振に喘ぎ、上瀧自身も責任を取らざるを得なかったのだが、その背後では経営権をめぐる泥仕合が展開されていたようだ。
上瀧の意向は山崎会長と近藤社長を退任させ、何とポプラ社の坂井宏社長をトーハンの社長に就かせようとするもので、それはトーハンの取締役も兼ねるセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文の意向でもあった。しかしその坂井新体制構想に多くの株主出版社が反対したことで撤回され、上瀧は前記の社長交代を条件に引退することになったという。『出版状況クロニクル3』でも、上瀧に出された怪文書のことを伝えてきたが、今回の出来事は取次も出版危機の只中で、それを直視せず、自己中心的泥仕合を繰り広げていることが明らかになってしまったのである。
『FACTA』による暴露の後追いで、ようやく『新文化』(6/28)もそれを「迷走トーハン社長人事の顛末」として記事にしている]
13.『ニューズウィーク』(6/13)がジャーナリストのダン・グルネバウムによる「クール・ジャパンのお寒い現実」を掲載しているので、それを要約してみる。
*クール・ジャパンの始まりは02年にジャーナリストのダグラス・マグレイがフォーリン・ポリシー誌に書いた記事で、アニメやマンガなどの日本のポップカルチャーが世界で人気を集めていると指摘し、日本が文化超大国として急速に台頭しつつあると論じた。
*02年に宮崎駿の『千と千尋の神隠し』がアニメとして初めてベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、06年にはハーバード大学とMIT がクール・ジャパンの共同研究プログラムを立ち上げたことで有頂天になった日本政府と業界、メディア関連企業はクール・ジャパンを世界に売り込むキャンペーンに乗り出した。
*日本経済が停滞する中で、新市場を獲得し、文化大国を築くチャンスとばかり、政府はクール・ジャパン関連政策に力を入れた。
*しかし日本アニメのDVDの国外売上高は、06年に160億円だったのが、10年には90億円、北米でのマンガ売上高も07年をピークに減り続けている。ゲーム産業も10年前には人気コンピューターゲーム上位100作品のうち、93作が日本のゲームだったが、今でも見る影もなく、ゲームソフト海外出荷額も08年の7000億円をピークに減少傾向にある。
*それはクール・ジャパンマーケティング戦略を経産省や大手広告代理店が間違えたこと、美術館やコンサートホールには金を使っても、クリエイティブ産業、コンテンツ産業の人的資源に投資を怠ってきたことが原因である。
[このクール・ジャパンに関する後半の指摘は、日本の出版業界の現実とあまりにもよく似ている。
出版売上高が減り続けている一方なのに、改革を怠り、戦略を間違え、大型店と複合店によるナショナルチェーン化をめざし、さらに売上を失墜させた。
出店に金を使っても、書店員や編集者といった人的資源に向けられることはなく、読者を育てることもなく、そのつけが吹き出てきて、深刻な出版危機を迎えてしまったのである。
出版業界の未来戦略として、クール・ジャパンを背景とする海外進出が語られ、角川GHDの角川歴彦は本クロニクルでも既述してきたように、それをメインに語ってきた。しかしここでもう一度その戦略を見直さなければならない段階へと入ってきているのではないだろうか。
そういえば、このようなクール・ジャパンをめぐる問題と推移は、現在の電子書籍に起きている現象と酷似しているように思われる]
14.『新文化』(6/21)が直販のディスカヴァー・トゥエンティワンを一面特集している。これも要約してみる。
*現在の取引書店は全国で4500店、全国を5エリアにわけ、20人の営業マンが販売促進を行う。
*書店からの事前注文部数は満数出荷し、多面展開をめざす。
*1年で100万部に到達した『超訳ニーチェの言葉』 は営業マンが全国の“いける書店”1500店を抽出し、拡材用パネル・POP・リボンを持参し、売場づくりを進め、1ヵ月後には1000〜1200店で多面展開、拡販体制を整えた。それで2ヵ月で20万部を突破した。
*新刊の年間平均80点のうち4割が重版。
*過去20年間で1150点を刊行し、現在の稼働率はその35%の400点で、超大型店で250〜300点、一般的なチェーン店で150〜200点が陳列されている。
*「本の力より全社的な営業力で伸ばしてきた会社」とは干場弓子社長の言。[現在のナショナルチェーンに伴う均一的な書店状況が、ディスカヴァー・トゥエンティワンの自己啓発とビジネス書のコンセプト、及び営業戦略と見合っているのだろう。この出版社の成長もまた、そのような書店状況へのシフトとパラレルにあるからだ。
それと同時に取次ルートの版元よりも正味が低いことも、大いにプラスしているはずだ。例えば1000店をこえるTSUTAYAにこのような展開ができれば、それは双方のメリットにつながるし、そのような営業展開によって、ミリオンセラーは可能になったと考えられる。
現在の出版危機下において、同様の直販出版社であるトランスビューやミシマ社の状況はどうなっているのだろうか。それも聞いてみたい]
15.吉本隆明の追悼特集が『現代詩手帖』5月号、『文藝別冊』 、『現代思想』7月臨時増刊号などで組まれている。
実は竹書房の極道ジャーナリズム誌『実話時報』6月号でも、表紙に吉本の写真入りで、特別追悼企画「斗え!!『新左翼』吉本隆明 思想界の巨人の遺言が指し示す新たなる形」を組んでいる。他の特集はともかく、こちらは売り切れれば入手が難しいと思われるので、ぜひ早めに購入されたい。
16.「出版人に聞く」シリーズ〈8〉の高野肇『貸本屋、古本屋、高野書店』が6月末に見本ができ、7月初めには店頭に並ぶ。
半年以上間があいてしまったこともあり、ご期待下さい。
《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》