出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2014-02-24から1日間の記事一覧

混住社会論54 長嶋有『猛スピードで母は』(文藝春秋、二〇〇二年)

長嶋有の『猛スピードで母は』は団地で暮らす母と息子の生活をテーマとしている。この小説を読みながら、私が思い浮かべたのは江藤淳の『成熟と喪失』における、安岡章太郎の『海辺の光景』への言及の一節である。そこで江藤は次のようなことを記していた。…