出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2015-03-06から1日間の記事一覧

混住社会論97 黒岩重吾『現代家族』(中央公論社、一九八三年)

前回ふれたように、吉本隆明は『共同幻想論』(角川文庫)の「対幻想論」において、典型的な家族小説として、夏目漱石の『道草』を挙げているが、それに加えて森鴎外の「半日」も論じられている。そしてどちらの場合も、そこに表出している家族が「当事者の…