2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧
これは前回のゴルドン夫人の『弘法大師と景教』のように、国会図書館でデジタル化されていないし、現物も入手していないので、本連載としてはイレギュラーだが、あえて取り上げてみる。それは藤無染の『英和対訳 二聖の福音』で、明治三十八年に新公論社から…
新仏教運動に寄り添うかたちで明治四十三年に、スウエンデンボルグの『天界と地獄』とブラヴァツキーの『霊智学解説』が翻訳刊行された。前年に、これも同様に大きな影響を与えたと思われる一冊が出版されている。それは日英図書館首唱者イー・エー・ゴルド…
前回ふれたように、明治四十三年十二月に博文館からブラヴァツキーの『霊智学解説』が刊行されている。しかしこれは発売所を博文館とするもので、厳密にいえば、博文館の出版物ではない。『博文館五十年史』の「出版年表」にその記載がないことは、それを裏…
前回の小林康達の、若き杉村楚人冠伝『七花八裂』(現代書館)において、明治三十二年の仏教清徒同志会(後に新仏教徒同志会)の結成から『新仏教』創刊までの経緯が述べられている。その背景にあるのは仏教の国家保護やキリスト教排除を目的とする仏教諸団…
かなり間が開いてしまったけれど、ここに日本評論社のもう一冊を付け加えておきたい。浜松の時代舎で、昭和十二年に日本評論社から刊行された『楚人冠全集』第一巻を購入してきた。美作太郎の『戦前戦中を歩む』の中では、「明治から大正にかけて活躍したジ…
もう一編、内外社に関して書いておきたい。『綜合ヂャーナリズム講座』を通読することで、定かでなかった人物のことが判明したからである。そのことにふれる前に、一冊の復刻本に言及しなければならない。それは昭和五十七年にみき書房から刊行されたサトウ…
『綜合ヂャーナリズム講座』はこの第十二巻で完結することになるのだが、最終巻にしては出版部門の論考はあまり見るべきものがなく、次の二編にとどまる。 (日本図書センター復刻版) 1 田中直樹「『娯楽雑誌』の編輯・其他」 2 一城龍彦「出版書肆鳥瞰論 …
『綜合ヂャーナリズム講座』第十一巻からは次の四編を取り上げることにする。 (日本図書センター復刻版) 1 大宅壮一 「改造論」 2 小汀利得 「産業経済雑誌論」 3 柳田国男 「世間話の研究」 4 金児農夫雄 「詩歌書の出版について」 1 の「改造論」で、大…
17年2月の書籍雑誌の推定販売金額は1398億円で、前年比5.2%減。前年は閏年で1日多かったこともあり、0.1%減だった。 書籍は827億円で、同1.9%減、雑誌は570億円で、同9.6%減。 雑誌の内訳は月刊誌が471億円で、同7.3%減、週刊誌は286億円で、同19.9%減…