出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2021-09-15から1日間の記事一覧

古本夜話1187 三星社の水上齊訳『全訳ボワ゛リー夫人』に至るまで

本探索1184の『ボワ゛リー夫人』がようやく出てきたので、ここで書いておく。黒川創の『国境』において、夏目漱石の仲介で明治三十四年に『満洲日々新聞』に連載されたフロオベルの『ボワ゛リー夫人』は植民地の新聞だったこともあり、ほとんど知られていな…

古本夜話1186 ゴンクール『売笑婦エリザ』、アラン・コルバン『娼婦』、『ナナ』

本探索1173のドーデ『巴里の三十年』 において、フローベールの家での晩餐会にはゴンクールの『令嬢エリザ』も供されていた。ゴンクール兄弟に関しては『近代出版史探索Ⅴ』825、826で取り上げているが、この作品は弟のジュールの死後、一八七七年に兄のエド…