出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【自治会、宗教、地方史】No. 35 第二部9 国家のミクロコスモスとしての自治会、意に反して片棒を担がされた歴史家

国家のミクロコスモスとしての自治会、意に反して片棒を担がされた歴史家 小田 : それと自治会と市の関係に留意するようになってあらためて認識したのは、行政におけるお上意識、肩書重視、官僚的対応であり、戦後のこの時期においては文部省、博士、文化な…

【自治会、宗教、地方史】No. 34 第二部 8  発掘調査-特別史跡指定-『市誌』刊行、または戦後社会における文化の有用性

発掘調査-特別史跡指定-『市誌』刊行、または戦後社会における文化の有用性 小田 : まず『市誌』と国分寺発掘のキーパーソンの石田茂作から始めてみます。これは『遠江国分寺の研究』(昭和37年、後に『遠江国分寺』所収、同53年)における著者紹介を示し…

【自治会、宗教、地方史】No. 33 第二部 7  戦後における文化の箔付け、または歴史の真相の捉えがたさ

戦後における文化の箔付け、または歴史の真相の捉えがたさ 小田 : でも気になるのは先の引用文へとつながっていかないことで、『市誌』においては「木寄法」ではなく、「古風な一木彫式のもの」に焦点が当てられていることだ。先の引用文は次のように続いて…

【自治会、宗教、地方史】No. 32 第二部 6  郷土史と柳田民俗学のリンク

郷土史と柳田民俗学のリンク 小田 : これは初めて話すことだけど、実は曽祖父が郡会議員をつとめ、編纂委員に名前を連ねていたこともあって、『郡誌』が家に残されていたわけなんだ。A : そうか、それで納得した。あなたにいうまでもないけれど、名著出版…

【自治会、宗教、地方史】No. 31 第二部 5 指定文化財化のプロセスの信頼性、または地方の非専門家による権威の引き写し

指定文化財化のプロセスの信頼性、または地方の非専門家による権威の引き写し 小田 : そのことに関連して、実は奈良国立博物館特別展『仏像修理100年』(平成22年)を見ている。 この図録の最初に西川杏太郎「仏像の保存修理とその技術」が寄せられており、…

【自治会、宗教、地方史】No. 30 第二部 4 指定文化財の仏像、または行政の拙速な お墨付き

指定文化財の仏像、または行政の拙速な お墨付き 小田 : まさにそういうことで、その指定文化財となる経緯と事情を確認する必要があると考えた。それで教育委員会に情報公開条例に基づき、昭和50年における指定文化財への経緯の公開を求めた。A : おもしろ…

【自治会、宗教、地方史】No. 29 第二部 3 О寺の仏像にたいする疑い

О寺の仏像にたいする疑い 小田 : そのきっかけというか、発端は昭和50年にО寺の仏像が市の指定文化財となったことだった。しかしこれまで厨子に納められていて、戦後になって昭和37年と49年のお開帳の時しか見たことのない仏像がどうして指定文化財とされた…

【自治会、宗教、地方史】No. 28 第二部 2 当事者になるまで気づいていなかった政教一致

当事者になるまで気づいていなかった政教一致 小田 : 私もそれが引っかかっていた。これも昭和31年にО寺と土地はJ寺として所有登記されているのに、どうしてあらためて薬師堂として登記したのか。つまり薬師堂としなければならない理由があったのかという…

【自治会、宗教、地方史】No. 27 第二部 1 戦後社会における「散文的な」祭りの誕生、または創出された宗教性

編者からの言葉 『自治会、宗教、地方史』の第一部は、自治会長として老人憩の家の建て替えプロジェクトを進めるなかで立ち上がってきた法律的な問題をめぐるものでした。当事者たちの死去によって真実が失われたなか、現存する文書にもとづいて土地の所有権…