出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

出版状況クロニクル39(2011年7月1日〜7月31日)

出版状況クロニクル39(2011年7月1日〜7月31日)

私は10年以上にわたって、東北のある地酒を好み、それだけをずっと飲んできた。しかしその地酒は東日本大震災もあって、品薄になっているようだ。しばらく入手できない時期も生じていた。

それに関連して想起されるのは、今年の米作のことである。津波による田への塩害に加え、福島原発30キロ圏の耕作はできなくなっているし、牛や魚、他の作物と同様に、米にも原発による放射能の被害が及ぶかもしれない。

もしそのような事態になれば、世界に誇るべき東北の日本酒にも打撃となるだろう。そしてあらためて、この20年における日本酒と酒屋、本と書店のたどった対照的な道筋を考えてしまう。

かつて酒屋と書店はまったく同じような環境にあった。定価販売で、新規出店は難しい旧態依然の業界で、主たる商品である日本酒は大手メーカーの寡占状態の下で売られ、その品質は劣化する一方で、日本酒離れという言葉すらも日常化していた。

ところが規制緩和と出店競争、全国各地におけるインディーズ蔵元の努力と精進によって、酒屋と日本酒は見事にサバイバルし、日本酒は多品種少量販売にして、最もおいしい黄金時代を招来したように思える。

ただそのような営業努力と技術精進を追求しなかった酒屋や蔵元が消えていったことも事実であろう。しかしサバイバルしてきた酒屋の店頭で、画一的でない品揃えの数百に及ぶ日本酒や焼酎を見ると、感動してしまう。このような酒屋がどの地方にもかならずあり、それは大型店ではない。

この酒屋と日本酒蔵元に比較して、書店と出版社は進化したといえるのだろうか。いや、逆に劣化の道をたどったのではないだろうか。
出版業界のことはさておいても、東北の蔵元のサバイバルを切に願う。


1.『日経MJ』(7/13)に10年度「日本の専門店調査」が発表された。そのうちの書店売上高ランキングを示す。











■2010年書店売上高ランキング
順位会社名売上高
(百万円)
伸び率
(%)
経常利益
(百万円)
店舗数
1紀伊國屋書店112,999▲1.335165
2ブックオフ55,24324.22,6591,027
3有隣堂54,1820.872944
4ジュンク堂書店47,7997.0▲23946
5未来屋書店47,02214.41,405180
6文教堂39,812▲9.89182
7フタバ図書38,495▲3.075665
8ヴィレッジヴァンガード34,9949.13,373334
9トップカルチャー
(蔦屋書店、峰弥書店TSUTAYA
30,1135.681971
10三省堂書店28,268▲1.213834
11三洋堂書店27,9820.033988
12リブロ(ロゴス、mio mio、よむよむ)25,226▲1.887
13カルチェ・イケダ(くまざわ書店23,2501.592
14精文館書店18,213▲3.544447
15キクヤ図書販売16,15211.928
16文真堂書店14,440▲9.281
17あおい書店13,941▲5.64945
18オー・エンターテイメント(WAY)13,827▲4.155944
19神奈川くまざわ書店13,76872
20すばる12,171▲4.314931
21京王書籍販売啓文堂書店10,887▲7.440
22積文館書店10,227▲4.38632
23アシーネ9,6240.489
24戸田書店8,19710.6▲5441
25明屋書店7,916▲2.214232
26くまざわ3,580▲2.812
27加登屋1,944▲1.3314

[今期は例年と異なり、丸善が抜けていて、その代わりにブックオフが第2位に上がっている。そして伸び率、経常利益、店舗数からして、ブックオフの一人勝ちを告げている。要するに再販委託制下の書店と、出版社も取次も再販も関係ないリサイクル古本屋とでは、利益率からいって、最初から太刀打ちできないのである。

しかもその中核にはフランチャイズシステムがすえられ、その全国的展開によって、多くの書店や古本屋が閉店、廃業へと追いやられたのは紛れもない事実であり、またブックオフを生み出してきたのが大量生産、大量消費、大量廃棄をベースとする日本の出版業界に他ならない。

これらのことも言い続けて、すでに十数年が過ぎてしまったことになる]

2.11年度の取次3社の上半期ベストセラーが発表されたので、以下に示す。

トーハン・日販・大阪屋 2011年上半期 ベストセラー
トーハン日販大阪屋書名著者出版社定価
112謎解きはディナーのあとで東川篤哉小学館1,575円
221もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら岩崎夏海ダイヤモンド社1,680円
335KAGEROU斎藤智裕ポプラ社1,470円
453老いの才覚曽野綾子ベストセラーズ800円
544くじけないで柴田トヨ飛鳥新社1,000円
6612モンスターハンターポータブル3rd スタートダッシュブックVジャンプ編集部集英社1,100円
79モンスターハンターポータブル3rd ザ・マスターガイド電撃Play Station編集部アスキー・メディアワークス発行1,995円
876心を整える長谷部誠幻冬舎1,365円
98救世の法 信仰と未来社大川隆法幸福の科学出版1,890円
10モンスターハンターポータブル3rd 公式ガイドブックファミ通書籍編集部エンターブレイン発行2,205円
1111バムとケロのもりのこや島田ゆか作・絵文渓堂1,575円
121015ONE PIECE STRONG WORDS[上・下]尾田栄一郎集英社各798円
1312ワンピース最強考察ワンピ漫研晋遊舎840円
149割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方福島文二郎中経出版1,365円
15147伝える力池上 彰PHP研究所840円
1617麒麟の翼東野圭吾講談社1,680円
1718放課後はミステリーとともに東川篤哉実業之日本社1,575円
189デフレの正体藻谷浩介角川書店発行 760円
1919日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか竹田恒泰PHP研究所756円
2019ふしぎの図鑑白數哲久 監修小学館2,940円
138体脂肪計タニタの社員食堂
体脂肪計タニタの社員食堂
タニタ大和書房各1,200円
1510マネジメント〈エッセンシャル版〉P.F.ドラッカー/上田惇夫訳ダイヤモンド社2,100円
16報道写真集3・11大震災 巨大津波が襲った河北新報社河北新報社発行1,000円
2017傾物語西尾維新講談社1,365円
11怒らない技術嶋津良智フォレスト出版945円
13島田紳助100の言葉島田紳助ヨシモトブックス発行879円
14シンプルに生きるD・ローホー幻冬舎999円
16「20代」でやっておきたいこと川北義則三笠書房1,260円
18100歳までボケない101の方法白澤卓二文藝春秋735円
20花物語西尾維新講談社1,365円

[どのような本であれ、売れることは出版業界にとっては歓迎すべきことだし、読者がそれらを読むこともまったく自由である。
しかしこのベストセラーリストが示している現在の日本の出版物は、この失われた十数年の出版業界の行き着いた劣化を告知していないだろうか。本棚を見れば、その人がわかるというのはかつての常識であったが、ベストセラーリストを見ても、その国の現在と状況が明らかに浮かび上がってくる。

例えば、『謎解きはディナーのあとで』を読んでみると、これがどうして本屋大賞に選ばれ、150万部のベストセラーになったのか、作品上からはとても理解できない。私の読後感からすれば、以前に中学、高校学年誌として、「コース」や「時代」があり、その付録についていたような添え物的ミステリーの印象を受ける。

この作品と本屋大賞をめぐる問題については、「ナナ氏の書評」(『週刊現代』3/19)がすでに指摘し、私もそれに同感なので、引用しておく。

 文章表現の稚拙さ、紙人形みたいにペラペラな人物造型、程度の低いユーモア、本格ミステリとしての作りの甘さは、いかんとも肯定しがたい。コナン・ドイルアガサ・クリスティも知らない中高生読者が喜んで読むならまだしも、書店で働く社会人が、このように幼稚な“本格”ミステリを嬉々として本屋大賞候補作に推すとは。大丈夫なんですか、日本の書店は。絶句する他ありません。

そして「ナナ氏」は「たとえ4月に結果が発表される本屋大賞を受賞したとしても、こんなものは読む必要はありませんぞ」と結んでいる。

それなのに、『謎解きはディナーのあとで』は上半期ベストセラーとなり、おそらく映画も含んだメディアミックス化され、さらに売れ続けていくだろう。これもまた現在のベストセラー状況を象徴していると考えるしかない]


謎解きはディナーのあとで

3.東日本大震災、 1 と 2 のような書店ベストセラー状況を背景に、出版科学研究所による11年1月から6月の雑誌書籍推定販売金額が出された。合計は9242億円で前年比3.8%減。その内訳を示すと、雑誌は最大の落ちこみで、同比6.7%減の4818億円、書籍は0.4%減の4424億円。

[雑誌の落ちこみに拍車がかかっている。11年は1兆円を大幅に割りこみ、書籍は8000億円を下回ることは確実で、11年度の雑誌書籍推定販売金額は1986年の1兆8000億円ほどになるだろう。何と四半世紀前に逆戻りしている。

これが日本だけで起きている出版危機の現実であり、出版流通システムを変えない限り、さらに危機は深まっていく]

4.書店東北ブロック大会での報告を記す。福島県は7、8割の書店が3月12日より営業を再開したが、原発30キロ圏内の書店は100日以上経っても再開の見通しがつかない。

宮城県の被災書店は150店で、そのうち20店が営業を再開できていない。

岩手県は13店が消滅状態で、3人の書店主が亡くなっている。

5.東日本大震災の被害による雑誌書籍の返品入帖総金額は16億円、対象出版社は1800社。

[当初推定されていた被害額を大幅に下回ったのは何よりで、出版社はすみやかな入帖によって、被災書店を支援すべきだろう。

しかしこれは書店に限らないが、原発30キロ圏内の物販、サービス業などへの対応はどのような道筋をたどるのだろうか。営業問題のみならず、借入金や売掛金、税制をも含め、それがひとつのメルクマールになると思えるからだ]

6.日書連は再販制が制度疲労を起こしているとし、従来の再販制に対する方針を転換し、弾力的運用のための書店再生委員会を新設。

7.40店で組織される山口県書店商業組合が、財政困難と低組織率の問題から、日書連を脱退。

[日書連も再販制とその弾力的運用の狭間で否応なく揺れている。しかしその改革のスピードは遅く、のような事態が各県で生じてくるにちがいない]

8.北海道、北見の福村書店が自己破産、負債は5億6000万円。92年は16億円の売上高だったが、10年には5億円に落ちこんでいた。

[北海道は大型店の出店ラッシュによって、地場の老舗書店が撤退に追いこまれている。昨年旭川コーチャンフォーが1730坪で開店し、続けて今年はジュンク堂が1000坪でオープンしたばかりだ。またこの10月にコーチャンフォーは北見にも大型店を予定している。

ナショナルチェーンのとどまることのない全国展開と大型化、ブックオフの売場拡大と複合化、その狭間で迎え撃つ地場書店は、出店という津波に呑みこまれようとしている]

9.アニメ、コミック、ゲームの専門店チェーンのアニメイトが書泉を子会社化。

アニメイトには以前にふれたことがあったが、全国に100店を展開し、アニメ関連商品であれば何でもそろう専門店であり、年商400億円の大手アニメショップである。

1 で見たように、ブックオフヴィレッジヴァンガードが高収益を上げているのと同様に、アニメイトも利益率が高いのだろう。

かくしてコミック、鉄道、格闘技などの品揃えで一世を風靡した書泉も、その傘下に吸収されたことになる]

10.丸善が希望退職者を募集。正社員の3割にあたる約180人で、年間15億円のコスト削減を見こむ。丸善は書店部門を分社化し、大学、図書館向け書籍販売に特化していたが、2年連続営業赤字だった。

[DNA傘下に入り、CHIホールディングスの一員となり、新しい経営者を迎えても、再販委託制の流通販売システムの改革を断行しなければ、結局のところ何も変わらない書籍販売の実状を知らしめたことになろう。たとえアマゾンなどのネット通販の影響はあったにしても]

11.アメリカの書店チェーン第2位のボーダーズの危機から、2月における倒産を本クロニクルでも伝えてきた。

しかしその後再建のためのスポンサーが見つからず、清算の手続きに入り、全399店は今秋までに閉店し、消滅することになる。その閉店バーゲンの模様をアメリカの新聞が大きく伝えている。バーゲン規模は書籍、CD、DVDなど7億ドル(約550億円)。


http://www.latimes.com/news/local/la-me-0724-banks-20110724,0,4973562.column?track=icymi

http://www.latimes.com/business/la-fi-0723-borders-sale-20110723,0,2746669.story

[ボーダーズは1971年に創業し、大型店を展開し、ピーク時の05年には1200店を超えていた。しかしアマゾンのネット販売との競合や電子書籍の普及によって、店舗維持費と人件費が負担になり、06年から赤字が続き、倒産と清算へと追いやられたことになる。

これはボーダーズなどを範として大型店化してきた日本の書店も他人事ではないはずで、ジュンク堂文教堂DNP入りしていなければ、どうなっていたかわからないと思う。

第1位バーンズ&ノーブルの行方も気にかかる]

12.アメリカ西海岸に出張し、10のボーダーズの廃墟をサンフランシスコで目撃し、その一方でポートランドの地元書店「パウエルブックスの本店」を見てきた、地方・小出版流通センターの川上賢一が、「地方・小出版流通センター通信」(No.419)で次のように報告している。

 ポートランドで40年の歴史を持つ地元書店「パウエルブックスの本店」は、朝の9時から夜11時まで、何でこんな田舎の都市に多くの読者が?と思うほど、来店客は途絶えず、オレゴン州の人口52万人の街で約3千坪の書店が繁盛している姿が不思議でした。店舗6店と物流センター2ケ所をもつ、この店の品揃えの奥深さはすごいものでした。

 新刊とユーズド本(一度新刊で買われた本・古本)、そしてリメインダー本(作り本)が同じ棚に並んでいます。これが時代とともに評価され残されて、読者に今も提供される、出版の厚み、時代の評価に耐えた奥深さを作り出していると思います。リメインダー本は過去評価され、今、出版すれば一定の需要が見込めるので作られ棚に並び、それにユーズド本と新刊が加わります。このユーズド本の仕入は、職人的眼力の店員によって判断され、今も読むに耐える本が棚に並んでいます。専門ジャンルの知識を持つ人だけでなく、それなりの知識を持つ読者にはたまらない店のようです。だから読者に支持されているのでしょう。

 ここは、ネット販売も活発で全米・世界中の読者を相手に商売しています。競争相手のアマゾンのサイトにも店を出したり、電子書籍の販売代理店になったり柔軟に対応しているとのことで、これからも目の離せない米国のインデペンデント書店の代表でしょう。ただ「再販制度」のある日本でこのようなスタイルの書店空間が成立するかどうかは難しいようにも感じました


[また川上はサンフランシスコの文学・人文関係の多くの読者を持つインディーズ系の「シティ・ライト・ブックス」も紹介し、「その姿は救われる感じでした」と書いてもいる。私もこのふたつの書店を見てみたいと思う。しかし現在の日本で、「救われる感じ」のする書店はいくつ残っているのだろうか]

13.大学の心理学や医学の教科書を手がけてきたブレーン出版が自己破産、負債は6億円。

業界紙などにも報道されていないが、小出版社の廃業や倒産がかなり起きているようで、さらにこれから増えていくことは確実であろう。東日本大震災の影響は被災書店のみならず、出版社にも絶えざる余震を及ぼしている]

14.『ミュージック・マガジン』の中村とうようが自殺。

[1969年に創刊された『ニュー・ミュージック・マガジン』はポピュラー音楽に関するインディーズ雑誌の範であるだけでなく、様々な分野のリトルマガジンの象徴的な存在であったと思われる。そしてあらためて、1960年代から70年代にかけてが、多種多様なリトルマガジンの時代だったことが想起される。中村の自死はそれらの時代の終わりを告げているのだろう]

15.これも1972年に創刊された『ぴあ』が通巻1341号の「8/4・18合併号」で終刊。

ぴあ[最終号]

[復刻版の「創刊号」ふろくや最終号の特集記事を見ていると、アナログシティからデジタルシティへの移行が否応なく迫ってくる。そして街の変容とともに、サブカルチャーが寄り添っていたこともあらためて強く感じられる。さらに『ぴあ』を発祥とし、多くの地方で生まれたタウン情報誌の姿がオーバーラップしてくる。

おそらくそれらのタウン情報誌も、地方の商店街の衰退とともに、『ぴあ』に先んじて消えていったと思われる]

16.日本の近代出版業界のベースを形成した教科書販売についての研究書、和田敦彦編『国定教科書はいかに売られたか』ひつじ書房)が刊行された。

国定教科書はいかに売られたか

[これは松本市の高美書店で発見された教科書の流通、販売に関する第一資料の翻刻も兼ねていて、初めてのまとまった資料、研究集成であろう。

編者の和田は書物の販売、流通、読者へと至るプロセスに目を向けると、そこにはまだ解明されていない大きな空白があると述べ、次のように書いている。

 書物の作者や内容に対する研究が重要であることは言うまでもないが、それらの書物がどこに、どのようにどれだけ広がっていったのかという問題はそれに劣らず重要な問題なのだ。書物と読者の間には実際には取次や書店、学校、あるいは図書館といった機関や人々が介在する。
相変わらず電子書籍をめぐる言説がかまびすしいが、このような視点を手離すことなく、冷静に事態を判断することが求められている。

9240円と高額なので、興味ある読者はぜひ図書館にリクエストされたい]

17.もう一冊、専門書である日仏図書館情報学会編『フランス図書館の伝統と情報メディアの革新』勉誠出版)を紹介しておこう。こちらはフランス図書館に関する概説書であるが、日本のTRC・公共図書館と異なる図書館像を垣間見ることができる。

フランス図書館の伝統と情報メディアの革新

[この本の出版とパラレルに、10年前から刊行されてきた『書物の百科事典』Dictionnaire encyclopédique du Livre (Cercle de la Librairie) が全3巻+索引で完結した。

本巻の総ページ数は3000ページを超えている。年齢のことを考えると、もはや全部を読むことはできないだろうが、挿絵が2000以上入っているし、これだけでも見たいと思う。セット定価は日本円で7万円余、円高もあって、1ヵ月で1万円近く安くなっている。買うべきか、買わざるべきか]

18.春秋社から中村生雄の遺稿集『わが人生の「最終章」』を恵贈された。中村は春秋社の元編集者で、逝去時には学習院大学教授であった。

[この本を贈られたのは中村が網野善彦上野千鶴子『日本王権論』の編集者で、これは『「今泉棚」とリブロの時代』に言及されているシンポジウムをベースにして編まれたからだ。リブロのイベントにも当然のことながら、編集者が併走していたのだ。

書店や出版社だけでなく、編集者たちも様々に消えていっている。それは『編集者=小川哲生の本 わたしはこんな本を作ってきた』(言視舎)を例外として、編集した本に関するデータをまとめていない。中村の本にもそれを付してほしかったと思う]

日本王権論 編集者=小川哲生の本 わたしはこんな本を作ってきた

19.「出版人に聞く」シリーズは7月半ばに〈5〉として、能勢仁『本の世界に生きて50年』が出された。

続刊の〈6〉は菊池明郎の『営業と経営から見た筑摩書房』である。乞う、ご期待!


《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》

「今泉棚」とリブロの時代 盛岡さわや書店奮戦記 再販制/グーグル問題と流対協 リブロが本屋であったころ 本の世界に生きて50年