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出版と近代出版文化史をめぐるブログ

混住社会論149 カネコアツシ『SOIL[ソイル]』(エンターブレイン、二〇〇四年)

SOIL第1巻(第1巻) 『SOIL』第11巻(第11巻)



消費社会の風景はまったく映し出されていないのだが、郊外のニュータウンそのものを舞台とする不気味な物語がずっと書き続けられてきた。

それは小説でなく、コミックで、カネコアツシの『SOIL[ソイル]』 という大作である。エンターブレインの『月刊コミックビーム』の03年4月号から始まり、04年に第1巻、11年2月に11巻が刊行され、ようやく完結編を見るに至った。

これまで小説のみならず、コミックやアニメでも多くの郊外が描かれてきたし、それらは枚挙にいとまがないほどだ。本連載でも15 の大友克洋『童夢』17 の岡崎京子『リバーズ・エッジ』などを始めとして、コミックをも取り上げてきた。だがこの『SOIL[ソイル]』 は郊外コミックとして群を抜いた異色の大作で、現在の郊外の深層のイメージを露出させている。もちろんコミックに通じた読者であれば、様々に先行する作品とのアナロジーを語ることができようが、その悪夢めいた重層的世界は比類なく構築され、郊外そのものが孕んでいる不気味さを表出させ、現在の郊外というトポスの闇を限りなく浮かび上がらせている。

童夢 リバーズ・エッジ

しかし全巻で2500ページを超え、物語も錯綜しているために、1巻ずつストーリーを追って説明していけば、最もわかりやすいと思われるのだが、そうするとそれだけでかなりの分量になってしまう。だから私なりに要約して紹介するしかないだろう。

まずプロローグで、山を背景にした一面の森、森を切り開いた農村集落、道路の開通と新興住宅地の開発、鉄道の敷設と駅前ニュータウンといったそれぞれの風景が見開きで提出され、それらの上にはかならず流れ星が描かれている。

そして本編が始まっていく。二人の刑事が、「そいるニュータウン」に向かって歩いている。横井巡査部長と小野田巡査で、前者はセクハラ発言を繰り返す中年男、後者は26歳の女性という設定である。「そいるニュータウン」は均一画一的な家並が延々と続く風景によって示されている。昨夜町全体が停電となり、鈴白という一家の夫婦と娘、及び交番の巡査が身体中に鱗のある男を見たとの伝言を残し、失踪してしまった。その捜査のために、二人はやってきたのだ。鈴白家は夕食時の団欒の最中に消えてしまったようで、食卓もそのままだった。鈴白家は五年前に引越してきて、夫はピアノ調律師、妻はフラワーアレンジメントを手がけ、社交的で、娘の水紀は可愛く成績も上位で、理想的な家庭に見えた。しかし奇妙なことに、娘の部屋には塩からなる天井まで届きそうな立体像があった。そして娘が通っている中学の校庭にも、夜の間に同じく塩の山ができていた。両者は同じ岩塩だった。なお全巻のカバーに描かれているのは鈴白一家である。

「こんなにみんな幸せそうな町」に何が起きたのか。塩は何のメッセージなのか。自治会長は言う。「心配なのはね。闇に乗じて“異物”が入り込むことなんですよ!」
「そいるニュータウン」は十数年前に自治体と大手ゼネコンの合資で開発された、いわゆる新興住宅地で、当初はショッピングモールや公共施設を完備した複合都市になるはずだったが、バブル崩壊で開発が中断され、整備された空地が町を囲んだままになっていた。これが郊外特有の消費社会が描かれない理由の説明となっている。

停電の真相は鉄塔マニアの仕業と判明するが、そのかたわらで町や住民の暗部が浮上してくる。歯科医の自治会長の家にある町の監視カメラをチェックする部屋、水紀の突発性睡眠発作と自己同一混乱、水紀と親しかった「僕はきっとこの世界を汚してしまう」と呟く宮原健人の停電以来の欠席、「そいるニュータうんのみな様へ」という水紀の字を貼り合わせた脅迫状と三千万円の要求、鈴白の妻から始まった塩をめぐるそいるのマルチ商法とその破綻、健人の母による自治会長の刺殺等々。「確かなものに見えていた“日常”が得体のしれないものに浸食されていく」。

鈴白家の内情も明らかになる。マルチ商法破綻のために、様々な多くのいやがらせを受けていたのである。そして脅迫状をめぐる町の住民の疑心暗鬼。そのような中で一週間を経て、自治会長の死体が発見される。自治会長の葬儀に続いて、警察による町の住民に対する尋問が始まり、さらに事実が明らかにされていく。

塩のマルチ商法の実態、鈴白家がいやがらせにも何の反応も見せなかったこと、だがマルチの塩と鈴白家、校庭の塩は異なる種類のものだったこと、自治会長のビデオコレクションから、彼が少年愛嗜好者で、町の多くの少年たちが麻酔手術に乗じて被害にあっていたこと、それが原因で自治会長が健人の母に刺殺されたこと、また健人は町外れのお稲荷様に放火し、そこに住むゆかりという老婆に大やけどを負わせ、それを自治会長に握られていたことなど。これらの事実から浮かび上がるのは、「こんなにみんな幸せそうな町」なのに、他ならぬ鈴白家の人々、自治会長、健人も「異物」のような存在に他ならなかったのである。「むしろ積極的に、“異物”を見つけ出して、排除しようとするのが共同体の本質なのかもしれん」のだ。

またそいるの歴史もわかってくる。四千年前には呪術的儀式を行なう縄文人の集落で、昭和初期には稲作を営む農村だったが、戦後になってさびれ、産廃不法投棄地帯となり、見捨てられた土地だった。しかし十数年前に開発が始まり、遺跡が発見され、縄文時代のものと判明したのだった。

姿を消した健人は空地の幽霊ビルに潜んでいた。停電の夜に水紀もそこにいたが、消えてしまったのだ。またそこで片岡美砂という女生徒が不良たちにレイプされ、発見される。三人は同じようにそいる中学の二年生である。

ところで事件のほうは振り出しに戻ってしまった。鈴白一家失踪、残された塩、謎の鱗男、巡査の安否は何もわからないままだった。それに岩塩は地球のものではなく、ザック隕石に含まれていた45億年前に存在した小さな惑星の海水の残存物のようなのだ。

また町に異変が起きていた。ミステリーサークルの出現、何百羽の鳩の死骸、道を埋める土砂、電線にぶら下がる無数の靴、公園の逆に植えられた樹々等々。これらは健人中心とする少年たちによって仕掛けられていた。彼は言う。「“異物”をつくるんだ。この世界の裂け目のことだよ。裂け目を開いて、僕たちを傷つけたこの町をぶっ壊すのだ」。このようにして「異物」が出現することで、「日常」に「非日常」が入りこみ、そいるの町が歪んでいく。そしてこの町全体が集団催眠のような状態に追いやられていった。

町外れに住むさゆりが「蘇流」村の地主の末娘で、乱心した男が村人たちを殺害した際の唯一の生き残りであることも明らかになる。小野田は閲覧禁止となっている「蘇流村事件」記録を読む。それは昭和26年7月に起きた事件だった。地主の密閉された土蔵の中から扉を叩く音がするのをさゆりは聞きつける。するとその中に見たことのない男がいた。男自身も自分が誰で、どこからきたのかもわからない。地主は男の人柄を良とし、家に住まわせ、男も村になじんでいった。だが三ヶ月後のある晩、男は目隠しをして、村人たちを殺害し始め、さゆりだけを残して、全員が殺されてしまう。男は捕えられたが、動機も素性もわからないままに、自ら万年筆で目をつぶし、まだ一人いると叫ぶ。それはさゆりのことだった。男は精神病院に収容され、さゆりが言う。「あっちとこっちの穴が開いたの。あの男、とうとうそこからこっちに入って来ちゃったの」。

この事件を担当したヨモギダ刑事は土蔵の中に一本の奇形の花を見つける。「あいつはたぶん此処にいる者ではない。“異物”だからだ」。そしてこの刑事は姿を消し、数ヶ月後に全裸で現われ、自殺を図るが、未遂に終わり、さらに行方不明となり、「蘇流村事件」は神川警察のタブーと見なされるようになった。

小野田は北海道の精神病院にいるとされるその男を訪ねる。独房の男は足元に何十年も「そいるニュータウン」の地図を描き続けていた。彼は言う。「私は此処にいる者ではない。そこに居る」。そして彼は燃え始め、そいるにいたさゆりもともに死ぬ。

一方そいるでは少年たちが自治会長の家を占拠し、町の花が狂い咲きする。横井も小野田と同様に「蘇流村事件」を調べるうちに、かつて自分が担当した事件がオーバーラップしてきて、おかしくなり始める。横井は言う。「このヤマの核心は鈴白家を取り巻くなにかじゃなくて、あの一家そのものじゃねえかってよ」。鈴白家のデータはそいるに住んでいることも含めて、市役所にもどこにもなかったのだ。とすれば、あの家族は何者なのか。水紀は言っていた。「あたし達は誰なの!?」

そいるの事件に深く関与しすぎてしまった横井と小野田は神川警察によって、横井は懲戒免職、小野田は生活安全課へと移動になり、事件そのものはサクラダ警視とサクラという謎の二人組に象徴される警視庁に引き渡され、立てこもる少年たちも機動隊に制圧された。「そいるの騒ぎは潰した。裂け目は閉じた。もうあの町に“異物”は入ってこない」。しかし「裂け目」は塩とともにまたしても生じ、少年たちも消えてしまう。

それと同時にそいるという町が閉ざされた内部となってしまい、外部からは消えてしまった町となり、その中に小野田や住民たちは閉じこめられてしまう。日常と非日常の裂け目が開きっ放しになってしまったようなのだ。「事件のすべてを理解したいとか言ったが、それがどんなに無謀なことか、時代や社会背景、時間と空間の組み合わせ、いくら解き明かしても、『謎』は次々と顔を出す。行きつくところは結局のところ『謎』だ」

一方で横井はヨモギダが神川警察の資料管理室に送ってきた本を入手する。それはドイツ語の原書で、ゲーデルの『不完全性定理』(岩波文庫)だった。その本を持って、横井はあの幽霊ビルに潜むが、本が燃え出し、その燃えた部分に「しるし」が浮かび上がる。それは大阪にある日本の煙突にはさまれた奇怪な塔を意味し、そこを訪ねていくと、ゴミの家に住むヨモギダがいた。そしてヨモギダはそいるの世界についての解釈を語り始めるが、それこそ「異物」=狂人として、家ごと強制執行があり、排除されてしまう。この部分は明らかに柄谷行人が言及するゲーデルの不完全性定理、及び森敦の『意味の変容』 (ちくま文庫)の影響と反映だと思われる。
不完全性定理 意味の変容

それはさておき、横井はヨモギダに教えられた乗鞍岳にある奇形の花が咲いている裂け目をめざすが、警視庁に追われ、逃亡する。そして潜伏した島で、「そいるニュータウン開発基本計画草案」という資料にめぐり合う。それは鈴白一家の写真が付されていた。横井はそれを作ったデベロッパーを突き止め、家族写真について尋問する。デベロッパーは言う。これは20年前にタレント事務所から寄せ集めたメンバーでつくった「理想の家庭像」で、まだありもしない町のモデルハウスを使い、本当に町に住んでいるように家族の名前をつけ、プロフィルもまったく創作したものだと。横井は鈴白一家そのものが「虚像」だと知らされたのだ。
しかし「異物」にあふれ、閉ざされた外部から消えてしまったそいるの住民たちは、鈴白一家の写真を見出し、次のような会話を交わす。

 「なにもかも……鈴白さんが消えてから始まった……」
 「そうよ……」
 「『そいる』にはこの家族が必要だったのよ……理想的な完璧な家族……ここに映っているのは……失われてしまった私達の姿……」

それを受け、子供たちはサクリファイスをもって水紀を呼び戻し、もう一度健人と出会わせようとする。そのために水紀が消えたあの停電の夜を再現しなければならず、鉄塔を倒しに向かう。

一方で横井は消えてしまったそいるの町のあったところに戻り、内部に閉じこめられたままの小野田との携帯による交信に成功し、事実を伝えるのだ。

 「“鈴白”って家族はそもそも存在していない。嘗ても今も。(中略)『そいるニュータウン』に住んでいるであろう理想の家族像……すなわち『虚像』としてしか」

小野田は問う。それならば、姿を消してしまったあの家族は一体何なのかと。
横井は「『異物』だ」と答え、次のように続ける。

「完璧に理想的な家族……陰のまったくない幸せなだけの“ごく普通”の家族……在り得るはずのないもの、ワケの判らないものとして、鈴白一家は『そいる』に現れたんだ。要するにあの三人はよ、(中略)この『現実』に迷い込んできた『異物』ってことだ。
 ……だが『異物』が入り込むにはまず入口となる『裂け目』があったはずだ。日常の……『そいるニュータウン』の内部に生じた『裂け目』……あらかじめ町に存在した『異物』……鈴白一家はそこから迷い込んで来た。そして『現実』が変容した。鈴白一家が存在する『現実』に」

だが「異物」は必ず排除されるし、「現実」はそのように作動し、自らの領域を守るゆえに、鈴白一家も消えてしまったのである。しかしどうして「虚像」としての家族が終わった」のかという謎はまだ十全に解かれていない。
さらに横井は小野田にいう。

「『異物』とは“謎”のことだ……“謎”は解かれれば“謎”じゃなくなる。……この町に……排除されていない『異物』……隠され……解かれぬままの“謎”が在る。……お前が解くんだ……
 行け、小野田……!事件(ヤマ)のすべてを理解しろ……!」

  
最後まででないけれど、ほぼ最終巻に至るメインストリームをできるだけ簡略に追ってきたが、それでもかなり長いものになってしまった。しかしストーリーを一読しただけでも、この『SOIL[ソイル]』が突出した郊外の物語であると同時に、カオスと狂気に充ちたミステリーだと了承されるだろう。たとえて言えば、夢野久作の『ドグラ・マグラ』 (角川文庫)と柳田国男の『遠野物語』 (角川ソフィア文庫)を融合させた現代郊外綺譚のようにも映ってくる。

ドグラ・マグラ 遠野物語

多くの言葉を費やしてしまったので、ここで止める。読者よ、願わくば、ただちに「そいるニュータウン」に赴かれんことを。

◆過去の「混住社会論」の記事
「混住社会論」148  奥田英朗『無理』(文藝春秋、二〇〇九年)
「混住社会論」147  伊井直行『ポケットの中のレワニワ』(講談社、二〇〇九年)
「混住社会論」146  吉田修一『悪人』(朝日新聞社、二〇〇七年)
「混住社会論」145  窪 美澄『ふがいない僕は空を見た』(新潮社、二〇一〇年)
「混住社会論」144  畑野智美『国道沿いのファミレス』(集英社、二〇一一年)
「混住社会論」143  森絵都『永遠の出口』(集英社、二〇〇三年)
「混住社会論」142  本間義人『国土計画を考える』(中央公論社、一九九九年)と酉水孜郎『国土計画の経過と課題』(大明堂、一九七五年)
「混住社会論」141  『田中角栄『日本列島改造論』(日刊工業新聞社、一九七二年)
「混住社会論」140  『佐久間ダム建設記録』(ジェネオン、二〇〇七年)
「混住社会論」139  デイヴィッド・グターソン『殺人容疑』(講談社文庫、一九九六年)
「混住社会論」138  ニーナ・ルヴォワル『ある日系人の肖像』(扶桑社ミステリー、二〇〇五年)
「混住社会論」137  アップダイク『カップルズ』(新潮社、一九七〇年)
「混住社会論」136  トルーマン・カポーティ『冷血』(新潮社、一九六七年)と高村薫『冷血』(毎日新聞社、二〇一二年)
「混住社会論」135  山上たつひこ、いがらしみきお『羊の木』(講談社、二〇一一年)
「混住社会論」134  古谷実『ヒミズ』(講談社、二〇〇一年)
「混住社会論」133  小田扉『団地ともお』(小学館、二〇〇四年)
「混住社会論」132  篠原雅武『生きられたニュータウン』(青土社、二〇一五年)と拙著『民家を改修する』(論創社、二〇〇七年)
「混住社会論」131  江藤淳、吉本隆明「現代文学の倫理」(『海』、一九八二年四月号)
「混住社会論」130  Karen Tei Yamashita , Circle K Cycles(Coffee House Press、二〇〇一年)
「混住社会論」129  高橋幸春『日系ブラジル移民史』(三一書房、一九九三年)と麻野涼『天皇の船』(文藝春秋、二〇〇〇年)
「混住社会論」128  邱 永漢『密入国者の手記』(現代社、一九五六年)
「混住社会論」127  宮内勝典『グリニッジの光りを離れて』(河出書房新社、一九八〇年)
「混住社会論」126  江成常夫『花嫁のアメリカ』(講談社、一九八一年)と有吉佐和子『非色』(中央公論社、一九六四年)
「混住社会論」125  トシオ・モリ『カリフォルニア州ヨコハマ町』(原書一九四九年、毎日新聞社一九七八年)
「混住社会論」124  スティーヴン・グリーンリーフ『探偵の帰郷』(早川書房、一九八五年)とリチャード・ピアス『カントリー』(ポニー、一九八四年)『アメリカ教育使節団報告書』(一九四六年、講談社学術文庫、一九七九年)
「混住社会論」123  『アメリカ教育使節団報告書』(一九四六年、講談社学術文庫、一九七九年)
「混住社会論」122  カムマーン・コンカイ『田舎の教師』(勁草書房、一九八〇年)
「混住社会論」121  谷恒生『バンコク楽宮ホテル』(講談社、一九八一年)
「混住社会論」120  矢作俊彦『THE WRONG GOODBY ロング・グッドバイ』(角川書店、二〇〇四年)
「混住社会論」119  スタインベック『怒りの葡萄』(原書、一九三九年、第一書房、一九四〇年)とピエトラ・リボリ『あなたのTシャツはどこから来たのか?』(東洋経済新報社、二〇〇七年)
「混住社会論」118  ゾラ『大地』(原書、一八八七年、論創社、二〇〇五年)と長塚節『土』(春陽堂、一九一二年)
「混住社会論」117  渡辺京二『逝きし世の面影』(葦書房、一九九八年)と久米邦武編『特命全権大使 米欧国回覧実記』(新橋堂、一八七八年)
「混住社会論」116  ゾラ『ボヌール・デ・ダム百貨店』(原書、一八八三年、論創社、二〇〇二年)
「混住社会論」115  M・M・ジンマーマン『スーパーマーケット』(経済界、一九六二年)
「混住社会論」114  『大和ハウス工業の40年』(同編集委員会、一九九五年)
「混住社会論」113  安土敏『小説スーパーマーケット』(日本経済新聞社、一九八一年)とテーラー『科学的管理法』(産業能率短期大学出版部、一九六九年)
「混住社会論」112  藤田 田『ユダヤの商法』(KKベストセラーズ、一九七二年)と『日本マクドナルド20年のあゆみ』(同社、一九九一年)
「混住社会論」111  ジョージ・リッツア 『マクドナルド化する社会』(早稲田大学出版部、一九九九年)
「混住社会論」110  藤原伊織『名残り火』(文藝春秋、二〇〇七年)
「混住社会論」109  ピエール・ブルデュー『住宅市場の社会経済学』(藤原書店、二〇〇六年)と矢崎葉子『それでも家を買いました』(大田出版、一九九〇年)
「混住社会論」108  庄野潤三『夕べの雲』(講談社、一九六五年)
「混住社会論」107  宮部みゆき『理由』(朝日新聞社、一九九八年)
「混住社会論」106  黄 春明『さよなら・再見』(めこん、一九七九年)
「混住社会論」105  日影丈吉『内部の真実』(講談社、一九五九年)
「混住社会論」104  ウェイ・ダーション『セデック・バレ』(マクザム+太秦、二〇一一年)
「混住社会論」103  松本健一『エンジェル・ヘアー』(文藝春秋、一九八九年)
「混住社会論」102  村上春樹『羊をめぐる冒険』(講談社、一九八二年)
「混住社会論」101  赤坂真理『ヴァイブレータ』(講談社、一九九九年)
「混住社会論」100  中上健次『日輪の翼』(新潮社、一九八四三年)
「混住社会論」99  多和田葉子『犬婿入り』(講談社、一九九三年)
「混住社会論」98  本間洋平『家族ゲーム』(集英社、一九八二年)
「混住社会論」97  黒岩重吾『現代家族』(中央公論社、一九八三年)
「混住社会論」96  近藤ようこ『ルームメイツ』(小学館、一九九七年)
「混住社会論」95  鎌田敏夫『金曜日の妻たちへ』(角川文庫、一九八五年)
「混住社会論」94  山田太一『岸辺のアルバム』(東京新聞社、一九七七年)
「混住社会論」93  小島信夫『抱擁家族』(講談社、一九六五年)と『うるわしき日々』(読売新聞社、一九九七年)
「混住社会論」92  佐藤洋二郎『河口へ』(集英社、一九九二年)
「混住社会論」91  佐藤泰志『海炭市叙景』(集英社、一九九一年)
「混住社会論」90  梶山季之『夢の超特急』(光文社カッパノベルス、一九六三年)
「混住社会論」89  岩瀬成子『額の中の街』(理論社、一九八四年)
「混住社会論」88  上林暁『武蔵野』(現代教養文庫、一九六二年)島田謹介『武蔵野』(暮しの手帖社、一九五六年)
「混住社会論」87  徳富蘆花『自然と人生』(民友社、一九〇〇年)と『みみずのたはこと』(新橋堂、一九〇七年)
「混住社会論」86  佐藤春夫『田園の憂鬱』(新潮社、一九一九年)と『都会の憂鬱』(同前、一九二三年)
「混住社会論」85  『東京急行電鉄50年史』(同社史編纂委員会、一九七二年) 『萩原朔太郎写真作品 のすたるぢや』(新潮社、一九九四年)
「混住社会論」84  『萩原朔太郎写真作品 のすたるぢや』(新潮社、一九九四年)
「混住社会論」83  谷崎潤一郎『痴人の愛』(改造社、一九二五年)
「混住社会論」82  三浦朱門『武蔵野インディアン』(河出書房新社、一九八二年)
「混住社会論」81  大岡昇平『武蔵野夫人』(講談社、一九五〇年)
「混住社会論」80  国木田独歩『武蔵野』(民友社、一九〇一年)
「混住社会論」79  水野葉舟『草と人』(植竹書院、一九一四年、文治堂書店、一九七四年)
「混住社会論」78  小田内通敏『帝都と近郊』(大倉研究所、一九一八年、有峰書店、一九七四年) 『都市から郊外へ―一九三〇年代の東京』(世田谷文学館、二〇一二年)
「混住社会論」77  『都市から郊外へ―一九三〇年代の東京』(世田谷文学館、二〇一二年)
「混住社会論」76  『宝塚市史』(一九七五年)と『阪神間モダニズム』(淡交社、一九九七年)
「混住社会論」75  小林一三『逸翁自叙伝』(産業経済新聞社、一九五三年)と片木篤・藤谷陽悦・角野幸博編『近代日本の郊外住宅地』(鹿島出版会、二〇〇〇年)
「混住社会論」74  柳田国男『明治大正史世相篇』(朝日新聞社、一九三一年)と山口廣編『郊外住宅地の系譜』(鹿島出版会、一九八七年)
「混住社会論」73  柳田国男『都市と農村』(朝日新聞社、一九二九年)
「混住社会論」72  内務省地方局有志『田園都市と日本人』(博文館一九〇七年、講談社一九八〇年)
「混住社会論」71  ローラン・カンテ『パリ20区、僕たちのクラス』(ミッドシップ、二〇〇八年)とフランソワ・ベゴドー『教室へ』(早川書房、二〇〇八年)
「混住社会論」70  マブルーク・ラシュディ『郊外少年マリク』(集英社、二〇一二年)
「混住社会論」69  『フランス暴動 階級社会の行方』(『現代思想』二〇〇六年二月臨時増刊、青土社)
「混住社会論」68  ディディエ・デナンクス『記憶のための殺人』(草思社、一九九五年)
「混住社会論」67  パトリック・モディアノ『1941年。パリの尋ね人』(作品社、一九九八年)
「混住社会論」66  ジャン・ヴォートラン『グルーム』(文春文庫、二〇〇二年)
「混住社会論」65  セリーヌ『夜の果ての旅』(原書一九三二年、中央公論社、一九六四年)
「混住社会論」64  ロベール・ドアノー『パリ郊外』(原書一九四九年、リブロポート、一九九二年)
「混住社会論」63  堀江敏幸『郊外へ』(白水社、一九九五年)
「混住社会論」62  林瑞枝『フランスの異邦人』(中公新書、一九八四年)とマチュー・カソヴィッツ『憎しみ』(コロンビア、一九九五年)
「混住社会論」61  カーティス・ハンソン『8Mile』(ユニバーサル、二〇〇二年)と「デトロイトから見える日本の未来」(『WEDGE』、二〇一三年一二月号)
「混住社会論」60  G・K・チェスタトン『木曜の男』(原書一九〇八年、東京創元社一九六〇年)
「混住社会論」59  エベネザー・ハワード『明日の田園都市』(原書一九〇二年、鹿島出版会一九六八年)
「混住社会論」58  『日本ショッピングセンターハンドブック』と『イオンスタディ』(いずれも商業界、二〇〇八、〇九年)
「混住社会論」57  ビクター・グルーエン『ショッピングセンター計画』『都市の生と死』(いずれも商業界、一九六九、七一年)
「混住社会論」56  嶽本野ばら『下妻物語』(小学館、二〇〇二年)
「混住社会論」55  佐伯一麦『鉄塔家族』(日本経済新聞社、二〇〇四年)
「混住社会論」54  長嶋有『猛スピードで母は』(文藝春秋、二〇〇二年)
「混住社会論」53  角田光代『空中庭園』(文藝春秋、二〇〇二年)
「混住社会論」52  宮沢章夫『不在』(文藝春秋、二〇〇五年)
「混住社会論」51  吉本由美『コンビニエンス・ストア』(新潮社、一九九一年)と池永陽『コンビニ・ララバイ』(集英社、二〇〇二年)
「混住社会論」50  渡辺玄英『海の上のコンビニ』(思潮社、二〇〇〇年)
「混住社会論」49  いがらしみきお『Sink』(竹書房、二〇〇二年)
「混住社会論」48  佐瀬稔『金属バット殺人事件』(草思社、一九八四年)と藤原新也『東京漂流』(情報センター出版局、一九八三年)
「混住社会論」47  山本直樹『ありがとう』(小学館、一九九五年)
「混住社会論」46  重松清『定年ゴジラ』(講談社、一九九八年)
「混住社会論」45  ジョン・ファウルズ『コレクター』(白水社、一九六六年)
「混住社会論」44  花村萬月『鬱』(双葉社、一九九七年)
「混住社会論」43  鈴木光司『リング』(角川書店、一九九一年)
「混住社会論」42  筒井康隆『美藝公』(文藝春秋、一九八一年)
「混住社会論」41  エド・サンダース『ファミリー』(草思社、一九七四年)
「混住社会論」40  フィリップ・K・ディック『市に虎声あらん』(平凡社、二〇一三年)
「混住社会論」39  都築響一『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』(アスペクト、一九九七年)
「混住社会論」38  小林のりお と ビル・オウエンズ
「混住社会論」37  リースマンの加藤秀俊 改訂訳『孤独な群衆』(みすず書房、二〇一三年)
「混住社会論」36  大場正明『サバービアの憂鬱』(東京書籍、一九九三年)
「混住社会論」35  ジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』(C-Cヴィクター、一九七八年)
「混住社会論」34  エドワード・ホッパーとエリック・フィッシュル
「混住社会論」33  デイヴィッド・リンチ『ブルーベルベット』(松竹、一九八六年)
「混住社会論」32  黒沢清『地獄の警備員』(JVD、一九九二年)
「混住社会論」31  青山真治『ユリイカ EUREKA』(JWORKS、角川書店、二〇〇〇年)
「混住社会論」30  三池崇史『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』(大映、一九九五年)
「混住社会論」29  篠田節子『ゴサインタン・神の座』(双葉社、一九九六年)
「混住社会論」28  馳星周『不夜城』(角川書店、一九九六年)
「混住社会論」27  大沢在昌『毒猿』(光文社カッパノベルス、一九九一年)
「混住社会論」26  内山安雄『ナンミン・ロード』(講談社、一九八九年)
「混住社会論」25  笹倉明『東京難民事件』(三省堂、一九八三年)と『遠い国からの殺人者』(文藝春秋、八九年)
「混住社会論」24  船戸与一「東京難民戦争・前史」(徳間書店、一九八五年)
「混住社会論」23  佐々木譲『真夜中の遠い彼方』(大和書房、一九八四年)
「混住社会論」22  浦沢直樹『MONSTER』(小学館、一九九五年)
「混住社会論」21  深作欣二『やくざの墓場・くちなしの花』(東映、一九七六年)
「混住社会論」20  後藤明生『書かれない報告』(河出書房新社、一九七一年)
「混住社会論」19  黒井千次『群棲』(講談社、一九八四年)
「混住社会論」18  スティーヴン・キング『デッド・ゾーン』(新潮文庫、一九八七年)
「混住社会論」17  岡崎京子『リバーズ・エッジ』(宝島社、一九九四年)
「混住社会論」16  菊地史彦『「幸せ」の戦後史』(トランスビュー、二〇一三年)
「混住社会論」15  大友克洋『童夢』(双葉社、一九八三年))
「混住社会論」14  宇能鴻一郎『肉の壁』(光文社、一九六八年)と豊川善次「サーチライト」(一九五六年)
「混住社会論」13  城山三郎『外食王の飢え』(講談社、一九八二年)
「混住社会論」12  村上龍『テニスボーイの憂鬱』(集英社、一九八五年)
「混住社会論」11  小泉和子・高薮昭・内田青蔵『占領軍住宅の記録』(住まいの図書館出版局、一九九九年)
「混住社会論」10  ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』(河出書房新社、一九五九年)
「混住社会論」9  レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』(早川書房、一九五八年)
「混住社会論」8  デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・フィフティーズ』(新潮社、一九九七年)
「混住社会論」7  北井一夫『村へ』(淡交社、一九八〇年)と『フナバシストーリー』(六興出版、一九八九年)
「混住社会論」6  大江健三郎『万延元年のフットボール』(講談社、一九六七年)
「混住社会論」5  大江健三郎『飼育』(文藝春秋、一九五八年)
「混住社会論」4  山田詠美『ベッドタイムアイズ』(河出書房新社、一九八五年)
「混住社会論」3  桐野夏生『OUT』後編(講談社、一九九七年)
「混住社会論」2  桐野夏生『OUT』前編(講談社、一九九七年)
「混住社会論」1