出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

出版状況クロニクル133(2019年5月1日~5月30日)

 19年4月の書籍雑誌推定販売金額は1107億円で、前年比8.8%増。
 書籍は603億円で、同12.1%増。
 雑誌は504億円で、同5.1%増。その内訳は月刊誌が416億円で、同5.9%増、週刊誌は88億円で、同1.4%減。
 返品率は書籍が31.4%、雑誌は43.0%で、月刊誌は43.1%、週刊誌は42.7%。
 書籍、雑誌がともに前年増となったのは、初めての10連休の影響が大きく、とりわけ書籍は連休前の駆け込み発売で、出回り金額が5.9%増となったことによっている。また5月連休明けまで書店の返品も抑制されたことも作用していよう。
 それゆえに今月の大幅なプラスは大型連休がもたらした一過性の数字とみな日販の赤字決算すべきで、その反動は5月の販売金額と返品に露呈することになるだろう。
 月末になって日販の赤字決算が出されているが、6月にトーハンなども含め、言及するつもりだ。


1.『出版月報』(4月号)が特集「ムック市場2018」を組んでいる。そのデータ推移を示す。

■ムック発行、販売データ
新刊点数平均価格販売金額返品率
(点)前年比(円)(億円)前年比(%)前年増減
20057,8590.9%9311,164▲4.0%44.01.7%
20067,8840.3%9291,093▲6.1%45.01.0%
20078,0662.3%9201,046▲4.3%46.11.1%
20088,3373.4%9231,0621.5%46.0▲0.1%
20098,5112.1%9261,0912.7%45.8▲0.2%
20108,7622.9%9231,0980.6%45.4▲0.4%
20118,751▲0.1%9341,051▲4.3%46.00.6%
20129,0673.6%9131,045▲0.6%46.80.8%
20139,4724.5%8841,025▲1.9%48.01.2%
20149,336▲1.4%869972▲5.2%49.31.3%
20159,230▲1.1%864917▲5.7%52.63.3%
20168,832▲4.3%884903▲1.5%50.8▲1.8%
20178,554▲3.1%900816▲9.6%53.02.2%
20187,921▲7.4%871726▲11.0%51.6▲1.4%

 18年のムック市場は初めて800億円を下回り、726億円、前年比11.0%減となった。
 販売冊数もさらに悪化し、こちらも8000万冊を割りこみ、7440万冊、同16.2%減である。1億冊を割ったのは昨年だったことからすれば、2年で25%以上のマイナスで、19年は16年の半分近くになってしまうかもしれない。
 返品率も4年連続で50%を超え、下げ止まる気配はない。ムックの場合、週刊誌や月刊誌と異なり、書店滞留時間も長く、ロングセラーも生まれ、再出荷もできることがメリットであったが、それももはや失われてしまったのであろう。
 ムックの起源は1960年代後半の、平凡社の「別冊太陽」だとされるが、それは半世紀前のことで、スマホ時代に入り、雑誌刊行モデルとしては広範に機能しなくなっていると考えられよう。
 それに決定的なのは書店の半減、及びコンビニ売上の失墜であり、とりわけ今世紀に入って進行した雑誌販売市場のドラスチックな変容というしかない。
 なおここでのムックには廉価軽装版コミックは含まれていない。



2.紀伊國屋書店弘前店が閉店。

 これは4月の大分店の閉店に続くものである。弘前店は1983年の開店で、仙台店よりも早く、東北で初めての紀伊國屋書店だった。
 弘前店は372坪、大分店は734坪であり、この2ヵ月で紀伊國屋の売場面積は1100坪が減少したことになる。



3.三省堂名古屋高島屋店が閉店し、名古屋本店へと統合。

 名古屋高島屋店は2000年の開店なので、20年の歴史に幕を下ろしたことになる。それは書店市場の悪化の中で、テナント契約更新が難しかったことを推測させる。
 4月の書店閉店は47店と、19年に入って最も少なかったが、それでもTSUTAYAと宮脇書店が各3店、文教堂と夢屋が各2店、また文真堂や Wonder GOOの各1店も含まれている。
 また文真堂は資本金を500万円減少して1000万円に、資本準備金6億5265万円を0円にすると発表。

 5月以後の書店閉店状況はどうなるのかが、19年後半の出版業界の焦点となろう。これは不動産プロジェクトのコストやテナント料の問題から見れば、大型化した書店はチェーン複合店も含めて、もはや採算がとれなくなってきている現実を露呈させているからだ。
 本クロニクル130などで既述しておいたように、18年から続くTSUTAYAの大量閉店はその事実を象徴しているし、4月のTSUTAYA3店の閉店坪数も600坪を超えている。
 それは大量返品として大手取次と出版社へと跳ね返り、本クロニクル131のコミックス、コミック誌、前回の文庫、1のムック販売状況へとリンクしているのである。

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4.そのWonder GOOはRIZAP傘下にあるのだが、今期のRIZAP連結決算は193億円の赤字となっている。

 この決算で明らかになったのは、Wonder GOO=ワンダーコーポレーションの不採算事業の撤退費用として、48億円の特別損失が出されていることである。
 本クロニクル130でふれたワンダーコーポレーションが売上高からすれば、RIZAPの中核企業であり、TSUTAYAのFC、つまり日販が取次だから、その再建の行方は両社にも多大な影響を及ぼしていくだろう。また同127で既述しておいたように、そのうちの15店は大阪屋栗田に帳合変更しているので、そちらへも波及するかもしれない。
 前回、文教堂GHDにふれ、その不採算店の閉店などにより、債務超過もさらに拡大していると伝えてきた。それはワンダーや文教堂だけでなく、撤退、閉店にはそれに伴う特別損失が生じているという事実を浮かび上がらせている。
 とりわけ文教堂やワンダーは上場企業であるだけに、再建の行方が注視されているし、文教堂は残された時間が少ないところまできていよう。



5.三洋堂HDの加藤和裕社長は粗利益を35%に改善する7ヵ年計画を発表。
 「書籍・雑誌」から「古本」「フィットネス」へ売上構成比を高めていくことで、19年には粗利益率30.8%、25年には35.0%にする。

 本クロニクル124などで、三洋堂の筆頭株主がトーハンになったこと、フィットネス事業などへの参入に関して既述しているが、もはや三洋堂にしても、ポスト書店の段階に入っていることの表明である。
 加藤社長によれば、週刊誌と月刊誌は20年半ばに消滅するかもしれないし、19年には三洋堂コストとしての信販手数料、返品運賃ポイント関連費用などで2億円増加するとのことである。
 それからあらためて認識させられたのは、返品運賃の急騰で、19年には18年の1.8倍の1億3000万円に達するとされる。これはすべてのナショナルチェーンに共通するものだと考えられる。それはこれからのキャッシュレス決済コストも同様であろう。
 7年後に35%の粗利益を達成するにしても、そこに至るまでに一体何が起きるのか、それが上場企業でもある三洋堂の焦眉の問題であろう。
 これも本クロニクル122でふれておいたように、18年は500万円という「かつかつの黒字」、19年予想は純損失3億円と見込まれているからだ。

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6.トーハンの近藤敏貴社長はドイツをモデルにしたマーケットイン型流通を主とする5ヵ年中期経営計画「REBORN」において、従来の見計らい配本から発売前に書店注文を集約しい、AIを駆使した配本システムを融合するかたちに移行すると表明。
 それにより返品率を抑制し、そこから派生する利益を出版業界全体で再配分し、18年の40.7%の返品率を23年度には33.4%、最終的に20%まで引き下げる。

 本クロニクル124で、近藤社長によるトーハンの「本業の回復」と「事業領域の拡大」を紹介しておいた。だが後者の不動産事業などはともかく、前者はさらに出版状況が失墜していく中で、埼玉の書籍新刊発送拠点「トーハン和光センター」の稼働を挙げることしかできない。 
 ドイツをモデルとしたマーケットイン型流通にしても、これも本クロニクル131で言及しておいたが、設備投資の失敗で、マーケットイン型流通が日本の出版業界において成立するとは考えられないし、誰もが信じていないだろう。それは取次や書店の現在状況からして明らかなことだ。
  
 大阪屋栗田の子会社であるリーディングスタイルも2店目の「リーディングスタイルあべの」を180坪で開店。デジタルサイネージを50台設置し100席のカフェとイベントスペースを併設。それこそ大阪屋栗田の「本業の回復」と「事業領域の拡大」に貢献するのだろうか。
 それらはともかく、取次の決算発表も間近に迫っている。



7.『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(アスキー新書)などの大原ケイが『文化通信』(5/20)に「米2位の書籍取次が書店卸から撤退」を寄稿している。
 それによれば、北米第2位の書籍取次(ホールセラー)であるベイカー&テイラー、以下(B&T)がリテール(書店)向け卸業から撤退すると発表した。
 アメリカの書籍流通業には日本の取次に近い「ホールセラー」と、中小出版社に代わり、受注、発注、営業も請け負う「ディストリビューター」がある。
 ホールセラー第1位のイングラムがリテール(書店)に広く書籍を流通させているのに対し、B&Tは書店だけでなく、全米公立図書館の9割に及ぶ6000館を抱えている。後者の年商は22億ドルだったが、2016年にフォレット社傘下に入った。
 フォレット社は北米の他に140ヵ国で、小学校から大学、学校図書館など9万団体に及ぶ教育機関を対象とし、電子教科書を含む教育コンテンツを製作販売する企業である。
 今回のB&Tの書店からの撤退は、「地域コミュニティを支えている公共図書館を支援する」という親会社のフォレット社のビジネスに適ったものだとされる。

  それに加え、アメリカでは出版社と書店の直接取引が主流になったこと、ふれられていないが、アマゾン問題も絡んでいるのだろう。
 このB&Tの撤退を受け、書店では日本でいう帳合変更、全米書店協会や大手出版社のサポート、中小出版社の「ディストリビューター」の支援も始まっているようだ。
 アメリカのことゆえ、他山の石とも思えないので、ここに記してみた。

ルポ 電子書籍大国アメリカ(『ルポ 電子書籍大国アメリカ』)



8.『日経MJ』(5/6)に「ゲオが新業態」という記事が掲載されている。
 ゲオ傘下の衣料品販売のゲオクリアが横浜市に「ラック・ラック クリアランスマーケット」を開店した。これはメーカーや小売店から余った新品在庫を直接買い取り、定価の3割から8割引きで販売するという新業態店である。
 売場面積は1400平方メートルの大型店で、衣料品はブランド類100種類を扱い、雑貨や装飾品も含め、商品は5万点に及ぶ。
 ゲオはグループで最大手の1800店を有し、古着、中古スマホ、余剰在庫や中古ブランド品などの新業態で、さらなる成長を模索するとされる。

 これもポストレンタルを見据えた上での新業態ということになろう。それがTSUTAYAと異なるのは、前回も示しておいたように、TSUTAYAが他社とのジョイントによって新業態をめざしていることに対し、ゲオの場合は自社によるチェーン店化も想定されているし、「メルカリ」などとともに、中古品市場をさらに活性化させるかもしれない。
 このようなゲオとTSUTAYAのコントラストは、直営店とフランチャイズシステムによる企業本質の違いに基づくものであろう。



9.町田の大型古書店の高原書店が破産し、閉店。
 高原書店は1974年に町田の最初の古書店として開店し、支店も出店する一方で、85年には小田急町田駅前のPOPビルに移転し、大型古書店の名を知らしめた。2001年には町田駅北口の4階建に移り、徳島県に広大な倉庫を置き、インターネット通販にも力を入れていた。
 作家の三浦しおんがアルバイトしていたこともよく知られ、古本屋のよみた屋や音羽館が高原書店の出身で、他にも古本人脈を形成するトポスであった。

 親しい古本屋から高原書店の危機の話が聞いていたが、その予測どおり、連休明けに破産してしまった。 
本クロニクル129で、大阪の天牛堺書店の破産を伝えたが、古書業界では在庫量と店舗数で西の天牛堺書店、東の高原書店と称されていたという。
 その2店が破産してしまったのだから、古書業界も書店市場と同様の危機に見舞われていることになる。

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10.『日本の図書館統計と名簿2018』が出されたので、公共図書館の移を示す。

日本の図書館統計と名簿2018

■公共図書館の推移
    年    図書館数
専任
職員数
(人)
蔵書冊数
(千冊)
年間受入
図書冊数
(千冊)
個人貸出
登録者数
(千人)
個人貸出
総数
(千点)
資料費
当年度
予算
(万円)
1971 8855,69831,3652,5052,00724,190225,338
1980 1,3209,21472,3188,4667,633128,8981,050,825
1990 1,92813,381162,89714,56816,858263,0422,483,690
1997 2,45015,474249,64919,32030,608432,8743,494,209
1998 2,52415,535263,12119,31833,091453,3733,507,383
1999 2,58515,454276,57319,75735,755495,4603,479,268
2000 2,63915,276286,95019,34737,002523,5713,461,925
2001 2,68115,347299,13320,63339,670532,7033,423,836
2002 2,71115,284310,16519,61741,445546,2873,369,791
2003 2,75914,928321,81119,86742,705571,0643,248,000
2004 2,82514,664333,96220,46046,763609,6873,187,244
2005 2,95314,302344,85620,92547,022616,9573,073,408
2006 3,08214,070356,71018,97048,549618,2643,047,030
2007 3,11113,573365,71318,10448,089640,8602,996,510
2008 3,12613,103374,72918,58850,428656,5633,027,561
2009 3,16412,699386,00018,66151,377691,6842,893,203
2010 3,18812,114393,29218,09552,706711,7152,841,626
2011 3,21011,759400,11917,94953,444716,1812,786,075
2012 3,23411,652410,22418,95654,126714,9712,798,192
2013 3,24811,172417,54717,57754,792711,4942,793,171
20143,24610,933423,82817,28255,290695,2772,851,733
2015 3,26110,539430,99316,30855,726690,4802,812,894
20163,28010,443436,96116,46757,509703,5172,792,309
2017 3,29210,257442,82216,36157,323691,4712,792,514
2018 3,29610,046449,18316,04757,401685,1662,811,748

 21世紀に入ってからの書店の減少は本クロニクルでずっとトレースしてきているが、公共図書館は書店とは逆に700館ほど増えている。19年は戦後初めての3300館を超えることになるだろうし、それがさらに書店数のマイナスへとリンクしていくのは自明だろう
 しかし貸出数は2010年代に入り、7億冊を超えていたが、14年以後は下降気味で、18年は6億8000万冊と、この10年間で最低となっている。ひょっとすると、図書館にしても、スマホの影響を受け始めているのだろうか。
 いずれにせよ、登録者数も微減しているし、高齢化社会の進行もあり、個人貸出数は10年代前半でピークを打ち、これ以上の増加は難しく、こちらも微減を続けていくように思われる。



11.たまたま新刊の曽我謙悟の「170自治体の実態と課題」というサブタイトルの『日本の地方政府』(中公新書)を読み、10の公共図書館に関しても教えられることが多かったので、ここで取り上げておきたい。
 とりわけ言及するのは第2章「行政と住民―変貌し続ける公共サービス」である。そこでの図書館絡みの重要なところを要約してみる。世界的に1990年代までは公共サービスや公共事業は行政がほぼ一手に担っていたが、2000年代以降、民間企業、NPO、及びPFI(Private Finance Initiative)を始めとする種々の官民協働方式が登場して大きく様変わりした。
 PFIは公共施設の建設に、指定管理者制度は公共施設の運営に、民間部門を参入可能にするものである。日本では1999年にPFI法、2003年に指定管理者制度が導入され、さらに2011年のPFI法改正で、コンセッション方式と呼ばれる民間部門の手で、施設の建設から運営までが可能になった。
 そこで登場してくるのが「ツタヤ図書館」なのである。これは要約しないで、直接引用しておくべきだろう。

日本の地方政府

 佐賀県武雄(たけお)市に登場したいわゆる「ツタヤ図書館」も、指定管理者制度によるものである。二〇一三年四月の武雄市にはじまり、その後神奈川県海老名(えびな)市、宮城県多賀城(たがじょう)市、岡山県高梁(たかはし)し、山口県周南市(しゅうなん)市宮崎県延岡(のべおか)市に導入され、和歌山市にも導入予定である。他方で、愛知県小牧(こまき)市での計画は住民投票の結果を受け、撤回された。書店やカフェを併設することにとどまらず、新たな書籍の購入や独自の配列基準に基づく書架への配列、ポイントカードを貸し出しカードとすることなどは、指定管理者の制度によって可能となった。
 PFIや指定管理者制度を地方政府が多く用いるのは、財政と職員の不足が要因である。これにより新たな市場が生まれることを歓迎する民間事業者も背景にある。たとえば、二〇一八年に開館した周南市の「ツタヤ図書館」に支払われる指定管理費は年間一億五〇〇〇万円である。PFIと指定管理者制度が生み出した「行政市場」は、現在の日本には珍しい成長市場である。行政と事業者の双方が求めるのだから、PFIや指定管理者制度が拡大するのも当然である。


 この部分を読むに至り、10において、公共図書館の専任職員数が1999年の1万5000人から、2018年には1万人と減少していることとパラレルに指定管理者制度が導入され、「行政市場」が成立したとわかる。
 それはまさに公共における「新自由主義」の導入に他ならず、思わず中山智香子の『経済ジェノサイド』(平凡社新書)を連想してしまった。こちらに引きつけて例えれば、純然たる「民営化」と「行政市場」のメカニズムの相違は、出版と出版業の乖離以上のものがあることになる。いずれも新書として好著なので、一読をお勧めする。
 本当に公共図書館もまたどこに向かおうとしているのだろうか。
 経済ジェノサイド



12.『人文会ニュース』(No131)に東大出版会の橋元博樹営業局長による「平成の『出版界』―専門書と書籍流通の30年」が掲載されている。

 このような論稿が『人文会ニュース』に書かれるようになったのは、行き着くところまで来てしまったことに加え、その内部の営業責任者もそうしたプロセスの中で、否応なく成熟せざるを得なかったことを告げているように思われる。
 筑摩書房の田中達治営業部長が存命の頃は私も出かけていって、出版社、取次、書店の人たちと話し合う機会を多く持った。しかし特に出版社の人たちは自らのポジションからの思い込みに束縛され、トータルな視座からの出版業界の分析、それに基づく危機の問題を説明することは難しい印象が強かった。だからこのような出版史も、出版社側からは提出されてこなかったのである。
 ただそれは2010年までのことであり、現在ではもはや危機は至るところに露出し、このような橋元の論稿も書かれ、掲載されることになったのだろう。
 拙著も出てくるからではないけれど、広く読まれることを願う。


13.またしても訃報が届いた。講談社の元編集者白川充が亡くなった。

 白川は1980年前後に船戸与一『非合法員』、志水辰夫『飢えて狼』を送り出し、冒険小説ブームのきっかけを担ったといっていい。
 その仕事は原田裕『戦後の講談社と東都書房』(「出版人に聞く」14)でふれられ、新保博久『ミステリ編集道』(本の雑誌社)で語られている。
 最後に会ったのは5年前の、前者の出版記念会の席だった。
 ご冥福を祈る。
非合法員  f:id:OdaMitsuo:20190530001657j:plain:h111 戦後の講談社と東都書房  ミステリ編集道



14.拙著『古本屋散策』が刊行された。
 読み切り200編を収録しているが、きっと何冊かは読んでみたいと思う本に出会えるはずだ。
 600ページという大冊になってしまい、高定価でもあるので、図書館にリクエストして頂ければ、有難い。
古本屋散策


15.今月の論創社HP「本を読む」㊵は「草風館、草野権和、『季刊人間雑誌』」です。