古本夜話171 大泉黒石『老子』、仲摩照久、新光社

大正時代の出版が宗教と奇妙な小説によって彩られていたことを既述してきたが、ロシア人を父とし、日本人を母とする日露混血で、ロシアやフランスでの生活を体験してきた大泉黒石も、そのような時代を象徴する多彩なキャラクターであったと思われる。それは『俺の自叙伝』(『現代ユウモア全集』第十巻所収、同刊行会)を…