出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2016-07-14から1日間の記事一覧

混住社会論146 吉田修一『悪人』(朝日新聞社、二〇〇七年)

吉田修一の『悪人』の冒頭には、まずその物語のトポロジーを提出するかのように、三瀬峠を跨いで福岡市と佐賀市を結ぶ全長48キロの国道263号線の現在の風景が描かれている。その起点は福岡市早良区荒江交差点で、一九六〇年代半ばから福岡市のベッドタウンと…