2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧
所持している操書房のヴォルテールの『オダリスク』の訳者三谷幸夫は、後年のミステリ作家にして研究者の松村喜雄のペンネームであり、それが松村喜雄の署名入り献本ゆえにわかると既述した。その献本は花崎清太郎宛になっていた。花崎清太郎とはどのような…
◆過去の「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」の記事 1 東北書房と『黒流』 2 アメリカ密入国と雄飛会 3 メキシコ上陸とローザとの出会い 4 先行する物語としての『黒流』 5 支那人と吸血鬼団 6 白人種の女の典型ロツドマン未亡人 7 カリフォルニアにおける日本人…
もう一度、南柯書院に戻る。 これも既述したように、南柯書院は上森健一郎、宮本良、西谷操などによって、昭和三年に設立された。その編集責任者は宮本良で、彼は発藻堂書院や前衛書房の編集事務も兼ねていた。また宮本は文芸資料研究会の「変態十二史」第七…
◆過去の「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」の記事 1 東北書房と『黒流』 2 アメリカ密入国と雄飛会 3 メキシコ上陸とローザとの出会い 4 先行する物語としての『黒流』 5 支那人と吸血鬼団 6 白人種の女の典型ロツドマン未亡人 7 カリフォルニアにおける日本人…
「奢灞都南柯叢書」の『黄金宝壺』と『タル博士とフエザア教授の治療法』の二冊を刊行した南宋書院について、一編補足しておきたい。日夏によれば、平井の「友人稲田稔が南宋書院を起して赤書印刻をやり始め」、その影響を受け、平井が急速に左傾したとされ…
◆過去の「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」の記事 1 東北書房と『黒流』 2 アメリカ密入国と雄飛会 3 メキシコ上陸とローザとの出会い 4 先行する物語としての『黒流』 5 支那人と吸血鬼団 6 白人種の女の典型ロツドマン未亡人 7 カリフォルニアにおける日本人…
これはまったく偶然であるが、平井功の「古逸叢書」の遺志を継いだ者が存在していたことを知った。それは土井庄一郎の「築地書館の50年」というサブタイトルが付された社史『めぐりあいし人びと』(築地書館)においてだった。一章の「父の思い出」の扉に、…
◆過去の「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」の記事 1 東北書房と『黒流』 2 アメリカ密入国と雄飛会 3 メキシコ上陸とローザとの出会い 4 先行する物語としての『黒流』 5 支那人と吸血鬼団 6 白人種の女の典型ロツドマン未亡人 7 カリフォルニアにおける日本人…
平井功は一冊の詩集と四冊の『游牧記』を残し、「古逸叢書」刊行計画の挫折の後、急速にマルクス主義へと向かい、昭和七年に淀橋署に検挙され、留置場で背負いこんだ病にかかり、急死してしまった。享年二十六歳だった。日夏耿之介はその平井を追悼し、「か…
出版状況クロニクル31 (2010年11月1日〜11月30日) ブックオフで、ヘーゲルの『精神現象学』(樫山欽四郎訳、平凡社ライブラリー)上下巻が各100円で売られていた。『精神現象学』を読む試みには何度も挫折し、この訳は河出書房版でも持っているので、入手…