2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧
続けて戦時下における画家の随筆集にふれてきたが、彫刻家の一冊もあって、それもここで書いておくべきだろう。 それは朝倉文夫の『衣・食・住』で、昭和十七年に四谷区新宿の日本電建株式会社出版部(以下電建出版部)から刊行されている。発行者は末松義良…
番外編その三の5の鏑木清方ではないけれど、戦時下において、多くの画家や美術家の随筆集が出されている。それはそうした分野の書籍の売れ行きの好調さを伝えているように思われる。 今回の一冊は津田青楓『懶六十三記』で、昭和十八年に桜井書店から刊行さ…
前回の伊藤永之介の『駐在所日記』上下はどこの古本屋で買ったのか、失念してしまったけれど、B6判並製で背のタイトルは褪色し、はがれかけていたので、均一台から拾ったように思われる。(上巻) だがその谷内六郎の装幀は伊藤の巡査物語とそのまま重なるよ…