2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧
実は前回ふれなかったけれど、「ユーラシア叢書」として復刻されている原本がまだ二冊あり、それは本探索でも取り上げてこなかったので、ここで書いておきたい。 その一冊は7のヘンリー・ユール著、アンリ・コルディエ補、東亜史研究会訳編『東西交渉史』で…
すでに十年以上前になるのだが、『リブロが本屋であったころ』(「出版人に聞く」4)の中村文孝との生活社の出版物に関する話の中で、昭和五十年代に原書房から「ユーラシア叢書」が刊行され、そこに生活社の復刻も含まれているということを教えられた。それ…
これは前回の『三田文学』臨時増刊「水上瀧太郎追悼号」ではふれられていないけれど、水上の死と同年の昭和十五年十一月に、岩波書店から『水上瀧太郎全集』全十二巻の第一回配本として、小説『大阪』『大阪の宿』を収録した四巻が出されている。翌年には『…
プロレタリア文学や農民文学の流れに棹さすようだが、前回賀川豊彦『死線を越えて』を批判する水上瀧太郎にふれたので、ここでその死にも言及しておきたい。いうまでもないが、水上もそれらと同時代の文学者だったのである。彼のことは『近代出版史探索Ⅲ』55…
賀川豊彦といえば、大正後半のベストセラー『死線を越えて』を取り上げないわけにはいかないだろう。しかもそれは大正九年の改造社からの刊行で、このベストセラー体験がもたらされなかったならば、円本の嚆矢としての『現代日本文学全集』の企画も成立しな…
前回はふれなかったけれど、青木恵一郎の『日本農民運動史』は幕末から明治時代は小野武夫が書き、大正・昭和を青木が担う予定だった。ところが戦後小野が亡くなったために、それは実現しなかったが、今回の日本評論版は可能な限り小野の意図に従って、青木…
前回の日本評論社「農村更生叢書」で思い出したのだが、実は以前に古書目録で、やはり同社の青木恵一郎『日本農民運動史』全六巻を見つけ、入手していたのである。これは昭和三十四年から三十七年にかけて刊行され、三十六年には時代を表象するように、毎日…
プロレタリア文学ならぬ戦前の農民文学は、昭和五十一年に家の光協会から刊行された『土とふるさとの文学全集』全十五巻によって多くを読むことができるし、パースペクティブをつかむことも可能である。ただ昭和五年に農業就業者は全就業者の四十七・一%を…
『近代出版史探索Ⅶ』1263で、『日本近代文学大事典』第六巻の「叢書・文学全集・合著集総覧」などを参照しながら、プロレタリア文学シリーズを挙げた際に、数は多くないけれど、農民文学もリストアップされていることにあらためて気づいた。「昭和期」だけで…