出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

続『書棚と平台』を批評する 番外編

――大島一雄『歴史のなかの「自費出版」と「ゾッキ本」』について「続『書棚と平台』を批評する 4」において、身近な世代が書いた出版関連本で、刺激を受けた一冊として、02年に芳賀書店から刊行された大島一雄の『歴史のなかの「自費出版」と「ゾッキ本」』…

続『書棚と平台』を批評する 4

(この記事は続『書棚と平台』を批評する 1 2 3の続きです) 柴野京子のいう「一〇年に及ぶ出版危機言説の実態」は『本とコンピュータ』のいくつもの特集を当てはめたもので、拙著とは位相を異にすると既述した。 ここまで書いてきたからには、さらに出版…

続『書棚と平台』を批評する 3

(この記事は続『書棚と平台』を批評する 1、 2の続きです) 柴野と星野に共通してみられる操作の共通性は、おそらく偶然ではない。二人の記述の背後に潜んでいるのは、学会の中にある、私の一連の出版に関する著作に対する面白くない思い、学会外にいる私…

続『書棚と平台』を批評する 2

(この記事は続『書棚と平台』を批評する 1の続きです) 福嶋の引用している「話をややこしくしている」との柴野の言は、『書棚と平台』の「序章」の「出版危機言説をめぐって」において、佐野眞一の『だれが「本」を殺すのか』を批判した際に出てきたもの…

続『書棚と平台』を批評する 1

柴野京子の『書棚と平台』をめぐって、福嶋聡の「出版界をめぐる様々な状況と対応 話をややこしくしているもの」(『Journalism』9月号所収 )、箕輪成男の「メディアとしての出版流通論」(『出版ニュース』9月中旬号)が書かれ、同書に関する様々な肯定的…

草森紳一とリトルマガジン

草森紳一の『中国文化大革命の大宣伝』(芸術新聞社)上下巻をようやく読み終えた。期待にたがわない力作で、文化大革命は若かりし頃にリアルタイムで起きていたこともあり、『ナチス・プロパガンダ 絶対の宣伝』(番町書房)以上の臨場感を伴って読むことが…

中島梓『ベストセラーの構造』再読

中島梓が死去した直後に書いたものであるが、どこにも掲載していないので、[旧刊メモ]の一編とする。彼女は中島梓名で評論、栗本薫名でファンタジー大河小説「グイン・サーガ」やミステリーなどを書き、その広範な執筆活動は、80年代以後のファンタジーや…

柴野京子の『書棚と平台』を批評する

出版、新刊、旧刊、古本に関するブログ「出版・読書メモランダム」を新しく開設しました。よろしければ、お出かけあれ。 今月上梓した拙著『古本探究2』の中で、取次から見た同文館、取次としての北隆館、至誠堂、大東館を書き、また独歩社や金星堂における…