出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

出版状況クロニクル187(2023年11月1日~11月30日)

23年10月の書籍雑誌推定販売金額は848億円で、前年比0.4%増。
書籍は498億円で、同2.8%増。
雑誌は350億円で、同2.9%減。
雑誌の内訳は月刊誌が295億円で、0.2%減、週刊誌は54億円で、15.6%減。
返品率は書籍が33.8%、雑誌が44.9%で、月刊誌は43.7%、週刊誌は50.4%。
週刊誌の月次の50%超えは初めてだ。
書籍は9月期に続いて、返品が減少し、推定販売金額も2ヵ月連続のプラスとなった。
それは新刊と出回りの書籍の2.7%、5.1%増の平均価格の値上がりにもよっている。
だが書店店頭売上は厳しく、書籍は6%減、文庫は9%減、ビジネス書は3%減、実用書は2%減、児童書13%減で、文芸書は5%増となっているが、これは初版30万部の『続 窓ぎわのトットちゃん』(講談社)の刊行に負っている。
雑誌は定期誌10%減、ムック4%減、コミックスも『呪術廻戦』『SPY×FAMILY』(いずれも集英社)などのヒット作はあっても8%減となっている。

続 窓ぎわのトットちゃん  呪術廻戦 24 (ジャンプコミックス)  SPY×FAMILY 12 (ジャンプコミックス)


1.日販のコンビニ配送からの撤退をめぐって、『文化通信』(11/14)と『新文化』(11/16)が日販の奥村景二社長にインタビューしているので、要約してみる。

日販のコンビニルート収益は2015年から赤字になっていた。15年度の営業損失額は5億円で、その後8年連続で赤字幅は増え続け、22年度は売上高317億円に対して、営業損失は32億円である。
18年からコンビニ各社との話し合いを始め、運賃の一部の負担をお願いしたが、それでも売上減少、返品増、運賃値上げを止めることはできなかった。
日販の運賃130億円のうちコンビニは60億円を占め、高止まりしたままで、23年度は売上高280億円、営業損失は40億円となるだろう。
 このまま継承していくと、日販全体の収益への大きな影響だけでなく、安定した書店流通もできなくなる恐れがあり、それは避けなければならないので、あえて決断した。
当初は24年2月末でシミュレーションしていたが、コンビニチェーンとの協議を重ねる中で、1年延長し、25年2月末日という結論になった。
ファミリーマートとローソンはトーハンが引き継いでくれることを確認しているし、「ローソン マチの本屋さん」9店舗は今後も継続していく。
コンビニとブックセラーズ&カンパニーの設立によって、日販の売上高は減るが、後者の場合、物流を担うことで手数料を得ることになり、収益面では貢献してくれるはずだ。

 しかしファミリーマートとローソンからの撤退は24年2月から1年先送りされたことで、さらに50億円近い大きな営業損失をこうむることになろう。
 それに現在の出版状況を考えれば、これからの1年において、何が起きるかわからないところまできている。それはトーハンにしても同様であろう。
 2007年の『出版業界の危機と社会構造』において、1992年から2005年にかけてのコンビニの出版物販売推移を示し、ピーク時の96年は5571億円で、そのシェアが全出版物売上の21%に及んでいたことを示しておいた。そんな時代もあったのだ。
 ところがこれも本クロニクル176で見たように、2022年は1172億円で、5分の1になってしまったのである。このようなコンビニの雑誌売上の凋落を受け、日販もその配送は15年から営業損失となり、今回の事態に追いやられたのである。



2.紀伊國屋書店、CCC、日販が設立した新会社ブックセラーズ&カンパニー(BS&Co.)が11月2日に「方針説明会」を開いた。
 出版社211社や関係者330人が出席し、こちらも『新文化』(11/9)、『新文化』(11/14)がレポートしているので、これも要約してみる。

その「直取引ビジネスモデル」は出版社の全銘柄を包括する「販売コミットモデル」、ロングセラー銘柄やシリーズを低正味で完全買切する「返品ゼロモデル」の2種である。
それは紀伊國屋の「商品知識」「目利き力」、CCCの「AI需要予測」「チェーンオペレーション」、NIC傘下の日販グループ3書店法人の「運営スキル」などを活用し、出版社と適正仕入数と取引条件を決める。
新刊の初回仕入数はすべて指定できるようにし、重版時に優先出荷を契約出版社に求める。
 棚在庫は自動発注し、BS&Co.に参加する1000店の書店員、バイヤーを通じ、拡売銘柄や復刊企画を提案し、売り伸ばしていく。
「販売コミットモデル」はこれらを前提として、「売上拡大インセンティブ」「返品歩安入帳」を組みいれる。BS&Co.が出版社に返品する際にはペナルティとして仕入れ正味より低正味で返品する仕組みで、物流と清算は日販に委託し、流通コストは参加書店が負担する。
「返品ゼロモデル」は完全買切で、出版社と売買契約を結ぶもの。大型店舗では面出陳列などで優先して展開。
 こちらの物流はカルチュア・エクスペリエンス(CX=旧MPD)の厚木センターが傘下書店に送品し、流通コストは参加書店が負担し、商品代金はBS&Co.が出版社に直接支払う。

 まだ「方針説明」は続いていくのだが、ここで止める。これだけで十分だろう。
 BS&Co.は来年1月にこれらのスキームに関して出版社数社とトライアルを始め、4月に本格稼働し、「販売コミットモデル」を書籍の20%、26年春には50%、「返品ゼロモデル」で同10%とし、残りの40%をこれまで通りの委託とする計画だとされる。
 しかし本クロニクルが繰り返しトレースしてきたように、紀伊國屋は書籍販売をメインとする書店であることに対し、CCC傘下のFC書店と日販グループ書店は雑誌とレンタルをコアとする複合店であり、いうなればDNAはもちろんのこと、出自も性格も家風もまったく異なり、日販を仲人とする政略結婚のような印象が拭い切れない。
 それにと同じく、26年春までは長く、何が起きるかわからない出版状況に置かれているし、早期の破談や婚約解消も考えておくべきだろう。私はかつて「新宿・紀伊國屋書店」(『書店の近代』所収)を書き、オマージュを捧げているので、あえて言及してみた。
書店の近代―本が輝いていた時代 (平凡社新書)



3.取協と雑協は日書連と協議し、「完全土曜休配(輸送会社の集荷作業なし)」を23年度より12日多くすることで、2024年度から完全土曜休配は37日となった。

 『出版状況クロニクルⅥ』でも東京都トラック協会が抱える問題などをトレースしてきているが、37日の休配は差し迫った運送業界の「2024年問題」へのひとつの対応ということになろう。これは4月から配送会社ドライバーの労働時間が年間960時間に制限されることをさしている。
 それにのコンビニ配送問題と密接にリンクしているし、雑誌に相乗りするかたちで、書籍も流通配本されてきた事実を直視すべきところまできている。



4.「新文化」通信編『出版流通データブック2023』(10/26)が出されたので、その「出店ファイル2022年」の200坪以上の23店を挙げておく。
 

■出店ファイル2022年200坪以上店
店 名所在地売場総面積(坪)帳合
コーチャンフォー つくば店茨城県2000日 販
蔦屋書店 佐久平店長野県900日 販
ブックエースツタヤ イオンタウン水戸南店茨城県625日 販
ツタヤブックストア AIZU福島県520日 販
ツタヤブックストア 印西ビッグホップ千葉県500日 販
ツタヤブックストア イオンモール土岐岐阜県495日 販
ツタヤブックストア 金沢エムザ石川県460日 販
ツタヤブックストア ららぽーと堺大阪府417日 販
ゲオ 姶良店鹿児島県403トーハン
丸善 豊田T-FACE店愛知県371トーハン
ゲオ アーバンモール新宮中央店福岡県371トーハン
有隣堂 ニッケコルトンプラザ店 千葉県350日 販
ゲオ イオンタウン荒尾店熊本県350トーハン
ツタヤブックストア MARUNOUCHI東京都329日 販
宮脇書店 伊勢ララパーク店 三重県320トーハン
ツタヤブックストア APIT京都四条京都府290日 販
ツタヤブックストア 亀戸東京都270日 販
TSUTAYA 甲府昭和店山梨県250日 販
くまざわ書店 富山マルート店富山県240トーハン
くまざわ書店 北砂店東京都234トーハン
紀伊國屋書店 あらおシティモール店熊本県215トーハン
ツタヤブックストア恵比寿ガーデンプレイス東京都211日 販
ちえなみき福井県200トーハン

 これに10月以降の有隣堂の神戸阪急店(80坪)、ブックエースのTSUTAYAデイズタウンつくば(700坪)、京都蔦屋書店(683坪)が続いている。
 だが22年は本クロニクル177で示しておいたように、300坪以上の出店が24店会ったことに比べると、出店にしても坪数にしても、明らかな後退シーンを見せつけている。
 23年の出店にしても、蔦屋書店、ツタヤ、TSUTAYAだけで、半分以上の12店に及び、22年よりも出店集中が続き、尋常ではない。
 それにこのような新規FC店に2の「販売コミットモデル」や「返品ゼロモデル」を導入することが可能かという疑問へとつながっていく。「直取引ビジネスモデル」とはFCのチェーンオペレーションシステムとまったく相反するものに他ならないからだ。



5.『季刊出版指標』(2023年秋号)が「データから見る読者と読書環境の変化1977~2022年」を特集している。
 そのうちの「一世帯当たりの年間品目別支出金額〈雑誌・書籍〉」を平均年齢のみにして示す。


季刊 出版指標2023年秋号
 

■一世帯当たりの年間品目別支出金額〈雑誌・書籍〉 単位:円
雑誌書籍
20005,38610,900
20015,43410,288
20025,00810,642
20034,76410,104
20045,01010,458
20055,04010,324
20064,6759,870
20074,4349,462
20084,4899,659
20094,6179,216
20104,4609,163
20114,3338,772
20123,9858,556
20133,9538,341
20143,6848,281
20153,3958,120
20163,3517,557
20173,1507,478
20183,0337,527
20192,9647,807
20202,7568,466
20212,8118,747
20222,5267,738
00年比(%)46.971.0

 今世紀に入っての雑誌の凋落が一世帯当たりの消費支出にも露わである。2000年の5386円に対して、22年は2526円と46.9%になり、まさに半減してしまっている。
 しかもこれは平均であり、20代の場合は2000年7916円に対し、22年は959円、30代は7740円に対し、2154円となり、かつての雑誌のコア読者層の雑誌離れが歴然となっている。
 とりわけ20代は半減どころか、90%近いマイナスで、10代の場合のデータは示されていないけれど、同様ではないかと推測できよう。
 とすれば、雑誌の凋落は下げ止まりでなく、まだ続いていくことは必至であろう。
 書籍のほうは雑誌ほどではないにしても、ここでの金額はコミックス(単行本)と古本も含まれていることに留意すべきだ。



6.『朝日新聞](11/1)のオピニオン&フォーラムの耕論「本と書店 生き残りは」において、幻冬舎社長の見城徹が次のように語っている。

  「幻冬舎を創業して30年になりますが、今の出版状況は最悪だと思います。(…)ベストセラー本の売れ行きがこの4年で4分の1ぐらいに落ちた気がするんですよ。(…)映画化やドラマ化されればこれくらいは売れるという経験則が全く通用しなくなってしまった。(…)特に小説やエッセーが主体の文庫本は壊滅的です。」

 実際に幻冬舎文庫を創刊し、現在も刊行している見城の言であるゆえに、ひときわリアルである。文庫出版社の社長がここまで語ったことはなかったし、それは幻冬舎文庫のみならず、他の文庫にしても同じ状況にあると思われる。
 初版部数の信じられない落ちこみ、重版はなされず、初版のまま消えていく文庫の場合、もはや文庫は必然的なアイテムとしてのロングセラー銘柄ではなくなってしまった。おそらく新書も同様のプロセスをたどっているはずだ。
 その次に控えているのは文庫や新書の廃刊ということになろう。



7.市立図書館で、『筑摩世界文学大系』、吉川弘文館「人物叢書」、三一書房『現代短歌大系』に加えて、小沢書店『小川国夫全集』、新潮社『川端康成全集』『開高健全集』、岩波書店『幸田文全集』、中央公論社『折口信夫全集』が除籍書籍として放出されていた。


筑摩世界文学大系 71 イェイツ  藤原頼長 (人物叢書 新装版)   小川国夫全集 第6巻 若潮の頃/逸民  川端康成全集 全35巻セット  開高健全集〈第1巻〉  
幸田文全集〈第4巻〉さゞなみの日記・包む 折口信夫全集 (13) 新古今前後・世々の歌びと 和歌史 1

 これにはさすがに驚いた。箱のない全集類の放出は裸で捨てられたような感があったからだ。それに小川国夫は郷土作家であるし、全集はこれしかないし、今後新たに全集が出版されることはまずないだろう。
 小沢書店の故長谷川郁夫が、岩波書店からの全集刊行が決まっていたにもかかわらず、小川国夫に懇願し、ようやく小沢書店から出版を実現させたエピソードを知っているので、本当に考えさせられてしまった。だが情けないことに、私などにしても、もはやそれらを持ち帰る余裕がないのである。
 これらの全集類は貸出がほとんどないために機械的に除籍処分となったのであろう。しかも市民へのリユース名目によってで、これからもそうした除籍放出は続いていくだろうし、それは全国の公共図書館でも起きていると見なすしかない。もはや公共図書館は蔵書思想をまったく失い、無料貸本屋的に機能していく道をたどっていくのであろう。



8.『日本経済新聞](11/10)が「韓国漫画アプリ 日本が主戦場」との大見出しで、「ネイバーとカカオ首位争い」を報じている。リードを引いてみる。
 
「韓国ネット2強のネイバーとカカオが漫画配信プラットフォームで陣取り合戦を繰り広げている。主戦場は最大市場の日本だ。ネイバー系の「LINEマンガ」とカカオの「ピッコマ」が読者と作家を奪い合う。韓国事業は成長余地が限られ、日本を突破口として世界市場で稼ぐビジネスモデルを模索する。」

 日本の漫画配信アプリ利用動向は「縦読み」の「LINEマンガ」が首位の33%、「ピッコマ」が2位30%、帝人子会社のインフォコムが手がける「めちゃコミック」が3位の12%で、韓国企業が大きく引き離している。
 漫画配信アプリは小学館や集英社なども力を入れているが、数千万単位の利用者を抱える「LINEマンガ」や「ピッコマ」に後れを取っている。

 日本の漫画配信アプリ利用動向は「縦読み」の「LINEマンガ」が首位の33%、「ピッコマ」が2位30%、帝人子会社のインフォコムが手がける。
 「めちゃコミック」が3位の12%で、韓国企業が大きく引き離している。
 漫画配信アプリは小学館や集英社なども力を入れているが、数千万単位の利用者を抱える「LINEマンガ」や「ピッコマ」に後れを取っている。

 電車に乗ると、雑誌や本を読んでいる人はほとんどおらず、スマホを見ている光景が定着して、すでに久しい。
 かつては『週刊少年ジャンプ』を始めとするコミック誌を読んでいた小中学生たちももはや見当たらず、きっと「LINEマンガ」や「ピッコマ」へと移ってしまったのであろう。そしてこの流れは元へと戻らないことも確実だ。
 双葉社の『月刊まんがタウン』の休刊が伝えられてきた。
月刊まんがタウン 2024年 01 月号 [雑誌]



9.文教堂GHDの連結決算は売上高154億7000万円、前年比6.2%減、営業利益は7300万円、同40.2%増、経常利益は9700万円、同28.7%増、当期純利益は9600万円、同32.0%増。

『出版状況クロニクルⅥ』で既述しておいたように、文教堂GHDは19年の事業再生ADR手続きで同意を得た事業再生計画に基づく返品率減少、文具販売の強化、不採算店舗の閉鎖などの事業構造改革を進めてきたとされる。
 その結果、負債合計は86億4700万円で、前年に比べ3億800万円減少し、純資産が9600万円増加し、当期純利益を計上したことになる。
 しかし株式市場において、株価は40円から35円までじりじりと下がり、上場株とは思えないほどの売買低迷が続いているように見受けられる。いずれにしても、売上高が伸びることは期待できないし、今後どうなるのか。



10.『創』(12月号)が特集「街の書店が消えてゆく」を組んでいる。

創 (つくる) 2023年 12月号

 近年の『創』の恒例の出版業界特集は床屋談義を超えるものではなく、ほとんど取り上げてこなかった。だが今回はレポートとして、元『新文化』の石橋毅史や長岡義幸を招聘し、書店にスポットをしぼったことで、現在の書店の率直な肉声を伝えていよう。
 とりわけ往来堂書店の笈入建志社長の語る売上、客数、資金繰りの実際は、街の書店の等身大の姿を浮かび上がらせているように思う。
 またちくさ正文館の古田一晴へのインタビューも掲載され、それに加え、11月17日には日本出版クラブで、古田を囲む会が開かれ、50人以上に及ぶ人文書関係者が集まり盛会だったという。私は都合がつかず出席できなかったが、何よりであり、古田こそは仕入れと販売に関して「スリップ一代」の店長をまっとうしたというオマージュを捧げておきたい。
 古田の『名古屋とちくさ正文館』(「出版人に聞く」11)は重版出来、在庫あり。
名古屋とちくさ正文館―出版人に聞く〈11〉 (出版人に聞く 11)



11.元三月書房の宍戸立夫から「のんきに楽しく暮しています」の便りとともに、歌誌『塔』(2023・7)を恵送された。

 それは同誌が特集「田村雅之さんに聞く」を組んでいたからである。
 田村は本クロニクル175でふれた廃業した国文社の編集長で、後に砂子屋書房を立ち上げていて、特集は両社の詳細に及び、知らなかった事実を教えてくれる。ちなみに一緒に砂子屋書房を設立した粟屋和雄が亡くなっていたことも。
 それらはさておき、宍戸にも「出版人に聞く」としてインタビューしておくべきだったといまさらながらに思う。彼もまた紛れもない「スリップ一代」の人物で、しかも書店人として祝福すべき晩年を送っているようだから。



12.古内一絵『百年の子』(小学館)を読了。

 小説としては今ひとつだが、そのモデル、資料として、野上暁『小学館の学年誌と児童書』(「出版人に聞く」18)がベースとして使われている。
 おそらく同書から大いなるインスピレーションを得て『百年の子』が構想されたと見なしてかまわないだろう。
百年の子  小学館の学年誌と児童書 (出版人に聞く)



13.『日本古書通信](11月号)が編集長樽見博の「青木正美さん逝く」を掲載している。

 青木は8月に90歳で亡くなったという。面識はなかったけれど、同誌で長きにわたって連載をともにしたこともあってか、著書を恵送され、本クロニクル167などで取り上げてきている。
 「青木さんの古本屋としての凄さに対し私は畏敬の念を持ってきた。優れた古本屋がそうであるように、従来価値のないと見られていたものに商品としての魅力を見出していく先見性。青木さんの場合、それは戦前戦中の児童物の分野で発揮された。」
 これを引いたのは前回ふれた駿河屋の先達が青木だったのではないかと思われたからだし、そのように考えても失礼には当たらないだろう。



14.論創社HP「本を読む」〈94〉は「完全復刻版『影・街』と短編誌の時代」。

ronso.co.jp

 『新版 図書館逍遥』は発売中。
新版 図書館逍遙

 『近代出版史探索Ⅶ』は12月下旬刊行予定。
 中村文孝との次のコモン論は12月に脱稿。