出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

新刊メモ

『国木田独歩の遺志継いだ東京社創業・編集者鷹見久太郎』

昨年末に上記の本を著者の鷹見本雄から恵贈を受けた。同書はタイトルが長いので、以下『鷹見久太郎』と略す。 『鷹見久太郎』が私のところに贈られてきたのは、昨年上梓した『古本探究2』 (論創社)の中に、「出版者としての国木田独歩」を収録したからだ…

浅岡邦雄『〈著者〉の出版史』

浅岡邦雄の『〈著者〉の出版史』 (森話社)が出た。これはサブタイトルに「権利と報酬をめぐる近代」と付されているように、明治の「出版業の世界もいまだに大きな経済的市場となり得ていなかった」時代における「著者と出版者の経済的営為」を論述した手堅…

チャールズ・H・ゴールド『マーク・トウェインの投機と文学』

ヘミングウェイの言によれば、現代アメリカ文学はマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』をもって始まるとされている。 そのトウェインがミズーリ州に生まれ、ハックルベリー・フィンの舞台となるミシシッピー川沿いの小さな町で育ったこと、…

草森紳一とリトルマガジン

草森紳一の『中国文化大革命の大宣伝』(芸術新聞社)上下巻をようやく読み終えた。期待にたがわない力作で、文化大革命は若かりし頃にリアルタイムで起きていたこともあり、『ナチス・プロパガンダ 絶対の宣伝』(番町書房)以上の臨場感を伴って読むことが…