19年12月の書籍雑誌推定販売金額は1060億円で、前年比8.9%減。
書籍は509億円で、同13.1%減。
雑誌は550億円で、同4.6%減。
その内訳は月刊誌が470億円で、同4.2%減、週刊誌は80億円で、同6.6%減。
返品率は書籍が32.9%、雑誌は38.8%で、月刊誌は38.1%、週刊誌は42.7%。
書籍の返品率の大幅減は送品が少なかったことが要因で、推定出回り金額は前年比15.8%減。
雑誌と月刊誌の返品率が40%を割ったのは、19年においてこの12月が初めてである。
それはコミックの『鬼滅の刃』の新刊が初版100万部で刊行され、品切店が続出し、底上げされたことによっている。その結果、コミックは20%増となった。
1.出版科学研究所による1996年から2019年にかけての出版物推定販売金額を示す。
年 | 書籍 | 雑誌 | 合計 | |||
金額 | 前年比(%) | 金額 | 前年比(%) | 金額 | 前年比(%) | |
1996 | 10,931 | 4.4 | 15,633 | 1.3 | 26,564 | 2.6 |
1997 | 10,730 | ▲1.8 | 15,644 | 0.1 | 26,374 | ▲0.7 |
1998 | 10,100 | ▲5.9 | 15,315 | ▲2.1 | 25,415 | ▲3.6 |
1999 | 9,936 | ▲1.6 | 14,672 | ▲4.2 | 24,607 | ▲3.2 |
2000 | 9,706 | ▲2.3 | 14,261 | ▲2.8 | 23,966 | ▲2.6 |
2001 | 9,456 | ▲2.6 | 13,794 | ▲3.3 | 23,250 | ▲3.0 |
2002 | 9,490 | 0.4 | 13,616 | ▲1.3 | 23,105 | ▲0.6 |
2003 | 9,056 | ▲4.6 | 13,222 | ▲2.9 | 22,278 | ▲3.6 |
2004 | 9,429 | 4.1 | 12,998 | ▲1.7 | 22,428 | 0.7 |
2005 | 9,197 | ▲2.5 | 12,767 | ▲1.8 | 21,964 | ▲2.1 |
2006 | 9,326 | 1.4 | 12,200 | ▲4.4 | 21,525 | ▲2.0 |
2007 | 9,026 | ▲3.2 | 11,827 | ▲3.1 | 20,853 | ▲3.1 |
2008 | 8,878 | ▲1.6 | 11,299 | ▲4.5 | 20,177 | ▲3.2 |
2009 | 8,492 | ▲4.4 | 10,864 | ▲3.9 | 19,356 | ▲4.1 |
2010 | 8,213 | ▲3.3 | 10,536 | ▲3.0 | 18,748 | ▲3.1 |
2011 | 8,199 | ▲0.2 | 9,844 | ▲6.6 | 18,042 | ▲3.8 |
2012 | 8,013 | ▲2.3 | 9,385 | ▲4.7 | 17,398 | ▲3.6 |
2013 | 7,851 | ▲2.0 | 8,972 | ▲4.4 | 16,823 | ▲3.3 |
2014 | 7,544 | ▲4.0 | 8,520 | ▲5.0 | 16,065 | ▲4.5 |
2015 | 7,419 | ▲1.7 | 7,801 | ▲8.4 | 15,220 | ▲5.3 |
2016 | 7,370 | ▲0.7 | 7,339 | ▲5.9 | 14,709 | ▲3.4 |
2017 | 7,152 | ▲3.0 | 6,548 | ▲10.8 | 13,701 | ▲6.9 |
2018 | 6,991 | ▲2.3 | 5,930 | ▲9.4 | 12,921 | ▲5.7 |
2019 | 6,723 | ▲3.8 | 5,637 | ▲4.9 | 12,360 | ▲4.3 |
前回の本クロニクルで、19年の販売金額は1兆2400億円前後と予測しておいたが、ほぼそのとおりの数字となった。
ただ電子書籍は3072億円、前年比23.9%増となり、紙と合算すると、1兆5432億円、同0.2%増で、全体では14年の電子出版統計以来、初めて前年を上回った。
電子書籍の内訳は電子コミックが2593億円、同29.5%増で、そのシェアは前年の80.8%から84.4%へと伸長している。つまり今さら言うまでもないけれど、電子出版市場もコミック次第であることは明白だ。
しかしそのかたわらで、紙の出版市場は20年には確実に1兆2000億円を割りこみ、数年後には1兆円を下回っていくことになるだろう。そして出版社、取次、書店をさらなる危機へと追いやっていく。
そうした20年の幕開けを迎えたのである。
2.ジュンク堂書店京都店とロフト名古屋店が2月末に閉店。
京都店は1988年に開店し、四条通りのビルの1階から5階を占める代表的な大型書店として、30年以上にわたる歴史を有していた。
この2店に続いて、福岡店も「ビル建て替えによる一時閉店」が伝えられている。
19年12月の書店閉店は26店と少なく、大型店はなかったので、師走でもあり、小康状態だと考えていたところに、ジュンク堂の閉店の知らせが入ってきた。
それは本クロニクルでも繰り返し記してきたように、出版物の店頭売上の落ちこみにより、書店の大型店というビジネスモデルが成立しなくなったことを告げていよう。まだ閉店は続くだろう。
折しも丸善ジュンク堂の「2019年出版社書籍売上ベスト300社」が発表されているが、こちらも20年はどのような推移をたどるのであろうか。
3.『建築知識』(1月号)が特集「世界一美しい本屋の作り方」を組んでいる。
内容は「本屋さんになりたい」「設け方/来店者を増やす」「見せ方/美しく本を見せる」「基本/知っておきたい基礎知識」の四章建て、75ページに及ぶ、まさに建築雑誌ならではの「美しい本屋の作り方」である。
このような企画は版元のエクスナレッジが、『世界の美しい本屋さん』などといったピクチャレスクな書籍を刊行していることに起因していると思われる。
だからあえて問わなくてもいいかもしれないが、「経営持続に必要なことは?」というQページがあるにもかかわらず、そのための売上に関して、まったく言及がないのは気になる。
昨年に栃木県の那須ブックセンターがよく紹介されていたけれど、『文化通信B.B.B』(19年5/1)の「長岡義幸の街の本屋を見て歩く63」によれば、経営者は内装費、商品代、月々の赤字補填のために、開店1年半で、トータルで5000万円を負担しているという。しかも月商目標は300万円であるにもかかわらず。
コンビニ跡地、60坪でも1日当たり10万円の売上も難しいのが本屋の現実で、それは「美しい本屋の作り方」を応用しても、ほとんど変わらない現実である。
特集「世界一美しい本屋の作り方」に水を差すようだが、これだけは付け加えておきたい。
4.『朝日新聞グローブ』(1/5)に、北京の民営書店「万聖書園」の創業者劉蘇里(リウ・スーリー)への「香港が香港であるために中国がいま理解すべきこと」というインタビューが掲載されている。聞き手は編集委員との吉岡桂子である。
それを要約してみる。
* 劉は中国政法大学講師だったが、1989年に天安門事件にかかわり、20ヵ月間拘束され、釈放後の93年に北京の大学街に民営書店「万聖書園」を開業する。 |
* 中国政府から弾圧を受けた知識人の支援も行ない、書店内カフェセミナーは知識人や市民活動家の集う場になってきたが、近年は強まる統制で開きにくくなっている。 |
*「万聖書園」ではジョージ・オーウェルの『1984』や『動物農場』がよく読まれているが、いつまで出版や販売が許されるのか、それが心配である。 |
* 中国ではこの5、6年で、言論活動の制限と市民社会への監視が大幅に強まり、大学の教材への審査が厳しくなり、教室に監視カメラが据えられた。密告が奨励され、知識人のSNSアカウントが閉鎖された。 |
* 中国は鄧小平の改革開放以来、胡錦涛前政権時代まで、共産党統合の本質は変わらずとも、人々の自由と社会の解放の度合は少しずつ広がっていた。しかしそれが習近平政権となり、逆回転したことが、香港で起きている問題の根本にある。 |
* 中国のその変わり方は香港の人々に恐怖を抱かせ、中国の都市のように、現在の香港の自由や自治を失うのではないかと思い始めた。 |
* 香港と中国は19世紀半ばから同じ制度のもとに暮らしたことがないし、香港人と中国人がちがうということを理解しないと問題は収束しない。恐怖と経済力だけで、自由と法治を持っている社会を永遠に封じ込めることは無理だ。 |
* 中国は返還にあたって定めた香港基本法に立ち戻り、香港を香港に戻すことが必要だ。 |
5.『ウエッジ』(2月号)にジャーナリストの野嶋剛による「一国二制度の形骸化を印象付けた香港の『銅鑼湾書店』、いま台湾へ」というレポートが寄せられている。
これも要約してみる。
* 2015年に起きた香港の「銅鑼湾書店」関係者失踪事件から4年が過ぎた。元店長の林栄基は台北に居を定め、書店を再建しようとしている。 |
* その新しい書店の予定場所は台北市繁華街の雑居ビル10階で、台湾でも香港の店名「銅鑼湾書店」をそのまま用いる。 |
* 香港情勢の深刻さに世界が気づいたのは、「銅鑼湾書店事件」だったといえるし、その結果、林栄基は香港の居場所を失い、台湾に「流亡」し、もはや香港に戻ることは考えていない。 |
* 台湾でウェブの募金を通して、600万台湾ドル(約2150万円)が集まり、新書店は2月上旬に開店予定で、しばらくは書店で寝泊まりするつもりだ。 |
* 林栄基は1955年生まれで、若い頃から書店で働き、書店こそ自分の一生の仕事と決めていた。1994年、香港がまだ英国の植民地だった時代に、自分の店である「銅鑼湾書店」を立ち上げた。そして本を売るだけでなく、出版も手がけ、中国では出せない共産党暴露本や内幕本を刊行し、大きな収入源となっていた。 しかしその出版事業が原因で、林栄基は中国で公安に拘束され、他の仲間の4人も同様だった。 |
* この「銅鑼湾書店」関係者失踪事件は香港社会にとって大きな衝撃だった。それは香港人が香港での仕事を理由に、中国当局によって香港などから連れ去られたことになり、一国二制度の形骸化を世界に強烈に印象づけた。 |
* 林栄基は違法な書店経営容疑で、中国での厳しい取り調べ、監視生活を送り、香港での「スパイ」になるように強要された。8ヵ月後に香港に戻ったが、書店の仕事はできず、「銅鑼湾書店」も中国政府の影響の強い会社に買い取られていた。「すべて計画通りに着々と手を下されている。私の書店は中国に奪われた」のである。 |
奇しくもこの今月に、中国の「万聖書園」、香港と台湾の「銅鑼湾書店」に関するインタビューや記事がほぼ同時に発信されているので、1、2の日本の書店状況と並んで紹介してみた。
「万聖書園」や「銅鑼湾書店」については『出版状況クロニクルⅣ』や『同Ⅴ』で言及してきたが、いずれの書店状況にしても、国家や社会体制を映し出す鏡のような位置にあることが了承される。それならば、日本の書店状況はどのように理解されるべきなのか。それを確認するために、今年も本クロニクルを書き継いでいくしかないだろう。
6.セブン&アイ・ホールディングスは出版事業からの撤退を決定し、セブン&アイ出版を21年春に清算予定。
同社は1995年設立で、主婦層向け生活情報誌『saita』などを刊行してきたが、この数年は雑誌の凋落を受け、毎年数億円の赤字を計上していた。
(2019年1月号、休刊中)
20世紀までは婦人誌の時代でもあり、1980年から90年代にかけて、『saita』だけでなく、多くの婦人誌が創刊されたが、そのような時代も終わっていくのだろう。
しかしそれにしても『saita』はセブンを象徴する雑誌で、社員はノルマで100冊以上買わされていたとの複数のコメントが出されていたことにも驚く。
21世紀になっても、それが続いていたのであろう。そこにも上意下達のフランチャイズシステムが反映されていたことなろう。
7.日本フランチャイズチェーン協会の発表によれば、2019年の主要コンビニ全売上高は11兆1608億円、前年比1.7%増、14年連続の過去最高を更新。
だが、19年末の店舗数は5万5620店で、前年比0.2%減と初めての減少。
コンビニ店舗数と書籍雑誌実販売額の推移を示す。
年 | CVS店舗数 | CVS書籍・雑誌 実販売額(億円) |
2005 | 43,856 | 5,059 |
2006 | 44,036 | 4,852 |
2007 | 43,729 | 4,044 |
2008 | 45,413 | 3,673 |
2009 | 46,470 | 3,166 |
2010 | 45,375 | 2,886 |
2011 | 47,190 | 2,642 |
2012 | 49,735 | 2,466 |
2013 | 53,451 | 2,262 |
2014 | 56,367 | 2,117 |
2015 | 56,998 | 1,908 |
2016 | 56,160 | 1,859 |
2017 | 56,344 | 1,576 |
2018 | 56,586 | 1,445 |
2019 | 55,620 | ー |
この2005年から18年にかけてのコンビニの出版物販売額推移に、ダイレクトなかたちで、雑誌の凋落が刻印されている。
この15年間で、5000億円から1400億円と、3分の1に減少しているのである。まだ19年の数字は出されていないけれど、おそらく確実に1400億円を下回ってしまうだろう。1980年代からの雑誌の成長はコンビニとの蜜月に<よっていたのだが、それも終わろうとしているし、コンビニの減少と雑誌コーナーの行方もどうなるのだろうか。
8.『FACTA』(1月号)が、ジャーナリスト永井総太郎の「週刊文春『30万部割れ』ショック」という記事を発信している。
そのリードは「まるで『雑誌恐慌!』スクープ連発の文春でさえ止まらぬ部数減。ネットの収入増で補い切れるか。」で、次の「週刊誌実売部数の推移(日本ABC協会調べ)も付されている。
週刊文春 (文芸春秋) | 週刊新潮 (新潮社) | 週刊現代 (講談社) | 週刊ポスト (小学館) | |
2009年 1-6月 | 486,954 | 414,781 | 227,988 | 269,821 |
2014年 1-6月 | 450,383 | 329,415 | 352,521 | 278,904 |
2015年 1-6月 | 416,820 | 313,328 | 302,036 | 218,848 |
2016年 1-6月 | 435,995 | 270,054 | 322,857 | 243,020 |
2017年 1-6月 | 372,408 | 247,352 | 264,089 | 217,331 |
2018年 1-6月 | 335,656 | 251,403 | 209,025 | 211,336 |
2019年 1-6月 | 287,241 | 197,735 | 208,014 | 190,401 |
ついに「文春砲」の『週刊文春』ですらも19年上半期には30万部を割ってしまい、『週刊新潮』も20万部を下回ってしまった。
一般週刊誌は『週刊朝日』など新聞系も含めて12誌だが、実売で10万部を超えているのは、『週刊文春』『週刊新潮』『週刊現代』『週刊ポスト』の出版社系4誌のみになってしまったのである。
『週刊文春』はネットで課金する体制へと移行し、ページビュー(PV)は4月に1億PVを突破し、11月には2億PVをこえ、広告収入も増えているという。
『週刊文春』だけでなく、12誌の週刊誌はこれからどのような道筋をたどることになるのだろうか。
同じく直販誌の『選択』(1月号)も、「我が世の春かと思われた『週刊文春』でさえ、一九年上期に二万六千部余りも減らしていました。紙の雑誌の多くが死線をさまよう二〇二〇年代となりそうです。」と書いていることも付記しておこう。
9.『ZAITEN』(1月臨時増刊号)として『激変するマスコミと企業広報』が出されている。
これはふたつの特集が柱となっている。
ひとつは「経済メディア『変わる地平線』」、もうひとつは「週刊誌『編集部』の内情」である。
前者は日経新聞社の現場事情と『日経ビジネス』、『週刊ダイヤモンド』、『週刊東洋経済』の「変わる地平線」に焦点が当てられている。
後者は『週刊文春』『週刊新潮』『週刊現代』『週刊ポスト』に加え、『女性セブン』『女性自身』『週刊女性』のガイド付きでもある。
タイトルに示されているように、企業広報との関係からの視点も含まれているけれど、『創』(2月号)のような総花的「出版社の徹底研究」ではないので、教えられ鵜ことも多い。また本誌もかつての『噂の真相』のイメージを彷彿させ、この一年は続けて読んでみようかという気にさせられる。
10.「地方・小出版流通センター通信」No.521によれば、同センター設立以来の加入出版社であり、地方出版の時代の先駆であった千葉県流山市の崙書房が廃業するという。
崙書房はこの半世紀に千葉県をテーマとした「ふるさと文庫」を始めとして、一千点もの出版物を刊行してきたが、後継者もなく、社員たちも70歳を超え、昨年7月末で活動を停止し、清算に向かっているようだ。
小林規一社長の言として、出版の現状について、出版は「書く人、編集出版する人、流通、書店、書評家などの横断的つながりで出来上るものだが、そのパーツすべてが傷んできている」が引かれている。
井出彰『書評紙と共に歩んだ五〇年』(「出版人に聞く」9)で語られているように、崙書房は『日本読書新聞』に在籍していた小林規一たちによって、1970年に立ち上げられている。
なお、地方・小出版流通センター設立時代のエピソードは、中村文孝『リブロが本屋であったころ』(同4)に詳しい。
11.『フリースタイル』44が恒例の「THE BEST MANGA 2020 このマンガを読め!」を組んでいる。
残念ながら、年を追う毎に、「BEST 10」どころか、「BEST 20」まで見ても、読んでいる作品が少なくなるばかりだ。
しかも今年は9の吉田秋生『海街diary』、18の真鍋昌平『闇金ウシジマくん』を途中まで読んでいるだけで、完読していない。両者とも完結しているようだし、早いうちに読まなければ。
そんなことを思いながら、ゲオに出かけたところ、レンタルコミックバーゲンがあり、『闇金ウシジマくん』46が50円で売られていた。その隣には、呉智英が挙げていた河野那歩也『監禁嬢』(双葉社)1、4、5がやはり50円で放出されていたので、これらを買ってきた。このクロニクルを書き終えてから読むことにしよう。
12.坪内祐三が61歳で急逝した。
本クロニクル136で既述しておいたように、坪内が拙著『古本屋散策』を『本の雑誌』(9月号)の「読書日記」で紹介してくれたので、次書『近代出版史探索』を論創社から献本してもらった。
やはり『本の雑誌』(1月号)の「読書日記」に、拙著が届いたことが記されていた。700ページ余の分厚い本なので、読了せずに亡くなったのではないだろうか。
そのことに関して、少し気になることがあり、それを書きつけておく。いずれも坪内絡みだ。
かつて坪内の論争相手だった安原顕に、拙著『文庫、新書の海を泳ぐ』(編書房)を献本したが、これも受領したことが日誌に書かれていたが、その直後に安原も亡くなっている。
また坪内が親交していた山口昌男が、やはり拙著『図書館逍遥』(同前)を『朝日新聞』で書評してくれたけれど、これが山口の書いた最後の書評であり、やはりその後、死去している。
さらに坪内の対談者だった大村彦次郎も、『古本屋散策』を送ったところ、これから入院するという返信が届き、数ヵ月後に鬼籍に入っている。
これだけ続くと、呪われた献本のようでもあり、今後の献本はできるだけ自粛したいと思う。
odamitsuo.hatenablog.com
13.12月の東京古書会館での講演「知るという病」は『図書新聞』(2/8号)に掲載され、続いて別バージョンも『古書月報』にも収録予定。
今月の論創社HP「本を読む」㊽は「『思潮』創刊号特集と『ミシェル・レリスの作品』」です。
また「web 新小説」の『文芸放談 オカタケ走る!』に出ています。