読者の皆様へ
小田光雄亡き後もブログをご愛読いただき、誠にありがとうございました。
小田光雄が亡くなったのは2024年6月のことで、本人不在のまま、あまりにも長く引っ張り過ぎてしまったかと思いますし、ここで終了にしようかと考えました。
しかしながら、以前に2024年の正月に書かれた幻の企画書を紹介しました。その中の『自治会、宗教、地方史』に関しては、8割がた原稿を書き終えていました。
地域の新公会堂建設は自治会長を終えた後、まさに死を賭して取り組んだプロジェクトでした。それが諸々の事情により、白紙撤回せざるをえなかった無念の経緯を綴ったものです。
「転んでもただは起きぬ」と本人が語っていた原稿です。ですので発表することも供養になるかと思ったりします。
位置づけは『全国に30万ある自治会って何だ!』の続編となりますが、もっと生々しい現実と向き合った2年間の記録です。200字詰め400枚の原稿と資料が残されました。
公会堂と併設されている寺の住職とその弁護士との攻防、市指定文化財の認可をめぐる市及び教育委員会への疑義などです。
この地区の特異な問題も孕んでいますが、一方で戦後のどこにでも起こった地方史に共通の問題も多々あると考えられます。
宗教と村落共同体の歴史、地方史の光と闇、戦後の開発における捏造的で恣意的な歴史利用などが提起されています。
原稿入力はすでに終わっていますので、ブログアップはすぐにでも可能ですが、今しばらく熟考の上、掲載するかどうかを決定したいと思います。
しばらく間が空くかと思いますが、再開の折にはよろしくお願いいたします。
ブログは2009年9月の開始からちょうど16年の歳月が経ちました。
意外にもブログの第一回は「柴野京子『書棚と平台』を批評する」というタイトルでした。
odamitsuo.hatenablog.com
その後、ブログは「古本夜話」「出版状況クロニクル」「戦後社会状況論」「ブルーコミックス論」「ゾラからハードボイルドへ」「消費社会をめぐって」など、次々にジャンルを拡げていきました。
「古本夜話」を完結できなかったこと、出版業界の行く末を見届けられなかったことなど、小田光雄は突然生命を絶たれ、無念の思いでいっぱいだっただろうと察しています。
今までご愛読いただき、心より感謝申し上げます。
2025.9.11
小田啓子