出版・読書メモランダム

出版と近代出版文化史をめぐるブログ

2020-12-09から1日間の記事一覧

古本夜話1094 夏目漱石、橋口五葉、春陽堂

前回、藤村の自費出版の試みを引き継いだのは、漱石の『こゝろ』だったのではないかとの観測を提出しておいた。ところが実際はその逆で、藤村が範としたのは他ならぬ漱石だったと思われる。それに漱石は藤村より遅れて、明治四十年代になってからだが、『朝…