書評 の検索結果:
…における証言、同9『書評紙と共に歩んだ五〇年』の井出彰による回想「『日本読書新聞』と混沌の六〇年代」(『エディターシップ』3所収、トランスビュー)を参照して、トレースしてみる。 木曜会は『日本出版百年史年表』に十五社とあるが、判明しているのは先の三社の他に合同出版、未来社、理論社、三一書房、新評論社であり、これらの編集者たちは木曜会系出版社編集者懇話会を結成していた。その一方で、木曜会系取次の弥生図書、沖田書籍、大阪図書の三社が合併し、昭和三十一年に民主的取次を提唱し、全国出…
…状況クロニクル4』の書評が掲載された。 [思いがけないことで、とてもうれしい。しかも本クロニクルに初めて寄せられた最も適格な書評でもあるからだ。 またさらにこの「移民と郊外、書店と郊外」と題する彼の「私の読書日記」そのものが、私の他の仕事も読まれた上での批評(クリティク)と目されるし、その背後に、私たちが共に拳々服膺している重要な著作をも浮かび上がらせる仕掛けとなっている。 風間さんならぬ鹿島さん、ありがとござんす!] 19.「出版人に聞く」シリーズ〈20〉として、河津一哉、…
…相乗してか、数多くの書評はことごとく本書を専門書であるかのように論じ、紹介していた。著者も書評者たちも出版業界の内部の人間か、身近な存在であるにもかかわらず、出版業界についての歴史的構造、分析の視点を全く持っていない。 何よりも“出版敗戦”の要因は歴史の中に潜んでいるのであり、彼らはそれを直視することなく出版を論じている。それゆえに出版の危機の本質と真実を隠蔽してしまっている。本書をめぐる騒ぎとその反響は出版業界の思考停止を何よりも物語るものであり、そのことを知らしめた笑劇と…
…れらを参照されたい] 15.『出版状況クロニクル4』は700ページを超える大部なものとなり、刊行が遅れてしまい、5月中旬発売となる。 私はこれも一貫してマスコミの出版報道、『出版ニュース』などの業界紙も批判してきたので、書評されることはないであろう。 それでも少数の読者の手元に届き、ひとつの愚直な出版史として、真摯に読まれることを願う。 なお今月の論創社HPの連載「本を読む」3 は〈知られざる貸本マンガ研究家〉です。よろしければ、のぞいて下さい。 以下次号に続く。 Tweet
…んだ金子のぶおという書評家の「街の書店、ささやかな悪徳。」(『フリースタイル』18所収)を想起してしまった。そこで金子は「いつもどこかに寄り道しながら、いろんな街の、いろんな書店を歩いてきた。しかし、これまでなじんできた、街の書店のかなりの店がすでに姿を消している」けれど、その中でも思い出されるのが、「暗い場所」とでもいう「街の本屋」だと書いている。そして具体的に目黒駅近くにあったその本屋の名前を挙げ、いつも「大人の本」を眺め、「ささやかな孤独の悪徳」を味わった体験を記してい…
…新聞』(1/31)で書評され、私もよかったなと思っていた。ところがその300部が売れないとの話が聞こえてきた。これを書くために燃焼社に問い合わせると、その後とりあえず在庫はなくなったけれど、返品があり、それで注文は間に合っているし、とても重版はできないとのことだった。 著者の田中は在野の研究者だが、みすず書房などから手堅い著作を何冊も出しているし、今回の著書は近代文学や出版研究に不可欠な労作である。それが『朝日新聞』の書評を得ても、300部も売れないとは。公共図書館と大学図書…
出版状況クロニクル85(2015年5月1日〜5月31日)15年4月の書籍雑誌の推定販売金額は1273億円で、前年比4.9%減。その内訳は書籍が5.2%減、雑誌は4.6%減。雑誌のうち月刊誌は2.7%減、週刊誌は12.4%減である。 返品率は書籍が36.0%、雑誌は43.2%である。15年に入って、雑誌返品率は2月の38.5%を除き、40%を超えたままで推移している。ムックの返品率は1 に示しておいたとおりだ。 書籍実売は、前年の消費増税の大幅減の反動もあって、書籍は3%減だっ…
出版状況クロニクル84(2015年4月1日〜4月30日) 15年3月の書籍雑誌の推定販売金額は1880億円、前年比3.3%減。その内訳は書籍は同0.4%増、雑誌は8.1%減。雑誌のうちの月刊誌は6.1%減、週刊誌は16.2%減で、雑誌のマイナスが大きく目立つ。 『週刊少年サンデー』は15%減で、40万部を割ってしまった。『週刊少年ジャンプ』は11%減、242万部、『週刊少年マガジン』も10%減、115万部。 返品率も書籍は26.8%だが、雑誌は40.3%である。1月から3月に…
出版状況クロニクル83(2015年3月1日〜3月31日) 15年2月の書籍雑誌の推定販売金額は1477億円、前年比3.5%減。その内訳は書籍が同5.1%減、雑誌が1.6%減。雑誌のうちの月刊誌は1.1%増だったが、週刊誌は12.6%減と大幅に減少。 返品率は書籍が34.0%、雑誌が38.5%と雑誌のほうが高いままで推移していて、それが今後常態化していくかもしれない。 これも繰り返し言及しているが、月刊誌にはコミックとムックが含まれているので、コミックの返品率の低さを考えると、…
出版状況クロニクル82(2015年2月1日〜2月28日) 15年1月の書籍雑誌推定販売金額は1088億円で、前年比0.6%増。13年5月以来、20ヵ月ぶりに前年を上回っているが、前年が5.5%減と大きかったことに加え、送品増加と返品減少によるものである。 その内訳は書籍同1.3%増、雑誌0.1%減、雑誌のうちの月刊誌は3.5%増、週刊誌は11.6%減。返品率はわずかに前年を下回ったが、書籍37.0%、雑誌44.1%と高いままだ。 これらの送品に基づく書籍雑誌推定販売金額は前年…
…艸木蟲魚』の二ページ書評が収録され、それに続いて先の三冊が一ページずつの広告が掲載され、創元社と当代の随筆家と見なされた泣菫との蜜月を示している。そのような関係もあって、昭和十三年に『薄田泣菫全集』全八巻が出されたと考えられる。 [f:id:OdaMitsuo:20141119094358j:image:h110]これは私見であるが、創元社の矢部は泣菫の著作の出版を通じて、かつて泣菫が学芸部長だった大阪毎日新聞の人々と知り合い、ひとつの出版人脈を形成していったと推測できる。そ…
…応し、東京朝日新聞に書評を(『柳田国男全集』31所収、同前)を書いている。もっとも柳田はその書評で、『山窩の生活』は文献上の研究が足りず、警察情報をベースにして、サンカが「盗賊詐偽で生活する人民だと云ふ主義」を下されていることに対し、不満を述べているのだが、そのことによって逆に山窩の存在は一般的に流布していったのではないだろうか。そして他ならぬ鷹野のこの著作を種本とすることによって、三角寛のサンカ小説群が構想されていったと考えられる。 そうした事情もあって、この『山窩の生活』…
出版状況クロニクル80(2014年12月1日〜12月31日) 11月の書籍雑誌推定販売金額は1232億円で、前年比3.3%減。その内訳は書籍同5.6%減、雑誌1.6%減で、雑誌のうちの月刊誌は0.8%減、週刊誌は4.9%減。 返品率は書籍が40.0%、雑誌は38.6%で、双方とも高止まりし、14年は40%前後の返品率が常態化してしまった。 書店売上は書籍3%減、雑誌6.5%減であり、出版社、取次も含めて、出版業界は最悪の状況を迎えている。大きな倒産や事件は起きなかったものの、…
…の『東京朝日新聞』の書評が転載されていたからである。それを引用してみる。 アメリカの女性作家の書いた「イヤリング」といふ小説の訳本を読んで、食べるといふこと、生きるといふことに、今更ながらびつくりした。(中略) 開墾地の生活は蒔かなければ食へぬのであつた。猛獣と戦はなければ、一家に飢餓がくるのであつた。 私は都会に生れ、都会に育つた。しかも、実に平安な文明の首都に暮しつゞけてゐる。口を沾らすのに購へばすむことばかりに馴れてきたので、物質節約、貯蔵しろと叫ぶ今日でも、新しき品(…
出版状況クロニクル79(2014年11月1日〜11月30日) 10月の書籍雑誌推定販売金額は1330億円で、前年比4.2%減。その内訳は書籍が同2.2%減、雑誌が5.8%減で、雑誌のうちの月刊誌は4.6%減、週刊誌は10.4%減。 前月と同様に、送品日が一日多かったにもかかわらず、落ちこんだのは返品率の上昇で、書籍は41.4%、雑誌は40.2%と前年を上回り、またしても双方が40%を超えるという状況に追いやられている。 書店売上も落ちこみ、書籍6%減、そのうちの文芸書や文庫は…
…た時、岡本綺堂が新聞書評を寄せ、推奨したところ、時雨がとても喜び、菓子折をさげ、挨拶に見えたことも岡本経一は記し、新版の刊行と合わせ、「時雨さん、また御縁がありました」と述べている。 私はサイレン社版『近代美人伝』を見ていないが、死後の昭和十七年に三上於菟吉を版権者として刊行された、『長谷川時雨全集』第三巻にあたる『近代美人伝』だけは持っている。鏑木清方が担当した箱はないが、上村松園の自らの絵を使った装丁は、戦時下とは思えないほど女性の絵柄と色彩も鮮やかで、いかにも内容にふさ…
出版状況クロニクル78(2014年10月1日〜10月31日)9月の書籍雑誌推定販売金額は1508億円で、前年比0.7%減。その内訳は書籍が同0.4%減、雑誌は1.1%減で、前月より持ち直しているが、それは前年より送品稼働日が1日多かったことによっている。 返品率は書籍が35.4%、雑誌が38.3%で、上昇は止まったものの、雑誌のほうが高くなっている。 書店販売状況は書籍雑誌ともに7%減で、コミックス以外はほぼ全分野がマイナスである。 今年も後2ヵ月を残すばかりだが、9月までの…
出版状況クロニクル77(2014年9月1日〜9月30日)8月の書籍雑誌推定販売金額は1177億円で、前年比7.9%減。これは6月の9.5%減に次ぐ落ちこみである。その内訳は書籍が同4.8%減、雑誌は10.1%減で、雑誌のうちの月刊誌は9.5%減、週刊誌は12.3%減となっている。返品率は書籍が43.0%、雑誌が39.6%で、書籍は4ヵ月連続、月刊誌は5ヵ月連続で40%を超えるという最悪の返品率を記録している。雑誌の場合、2000年前後は29%で推移していたから、10%以上返品…
…のくらい売れたのであろうか] 15.「出版人に聞く」シリーズは〈15〉として、小泉孝一『鈴木書店の成長と衰退』が9月中旬に刊行される。初めて当事者が語る、人文書専門取次鈴木書店が倒産に至る過程である。取次危機下にあって、読まれるべき一冊であり、その証言はリアルこの上ない。 〈16〉の井家上隆幸『三一新書の時代』、〈17〉の植田康夫『「週刊読書人」と戦後の書評史』は編集をほぼ終えたので、続けて年内に出せると思う。 《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》 以下次号に続く。 Tweet
…として、7月下旬に原田裕 『戦後の講談社と東都書房』 が出た。 またリードに記しておいたように、15 として小泉孝一『鈴木書店の成長と衰退』が9月上旬に刊行予定。それに続いて16 として、井家上隆幸『三一新書の時代』、17 として植田康夫『「週刊読書人」と戦後の書評史』を編集中です。 またさらに何人かのインタビューを予定しているので、ご期待下さい。 《最新刊の「出版人に聞く」シリーズ》 『戦後の講談社と東都書房』《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》 以下次号に続く。 Tweet
…究』」と云った回想や書評も収録した復刻版が出され、しかもそれが版を重ねることになったのであろう。 そうした『見世物研究』に関する再評価の流れはそれだけにとどまらず、平成時代にはいって、川添裕編・解説の『見世物研究姉妹編』(平凡社)が刊行されている。これは本連載45で言及している宮武外骨の浮世絵研究誌『此花』などに発表された朝倉の見世物、大道芸、大道物売に関する単行本未収録の集成である。またその後、『見世物研究』のちくま学芸文庫化も見るに至っている。 [f:id:OdaMits…
…う] 14.「出版人に聞く」シリーズ〈14〉の原田裕 『戦後の講談社と東都書房』 は遅れてしまい、7月下旬刊行予定。井家上隆幸 『三一新書の時代』 は編集を終えた。 なお〈9〉の井出彰が 『書評紙と共に歩んだ五〇年』 を補足するものとして、「『日本読書新聞』と混沌の六〇年代」を語っている。これは日本編集者学会発行、トランスビュー発売の 『エディターシップ』3 に掲載されているので、お読みいただければ幸いである。 《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》 以下次号に続く。 Tweet
…いている心を打たれた書評の一節)パトリック・モディアノの小説は一九七〇年代から翻訳され、『パリの環状通り』(野村圭介訳)、『暗いブティック通り』(平岡篤頼訳、いずれも講談社)を始めとして、『ある青春』(野村圭介訳、白水社)、『イヴォンヌの香り』(柴田都志子訳)『サーカスが通る』(石川美子訳、いずれも集英社)などが刊行され、 原タイトルをVilla triste (悲しき別荘)とする『イヴォンヌの香り』はパトリス・ルコントによって映画化もされている。またモディアノはパリ郊外を出…
…まったことになる。 私は彼に近代日本における仏教書と宗教書出版、とりわけ大正時代の『世界聖典全集』に関して、ずっとインタビューしたいと考えてきた。そのような機会も失われてしまった。本当に残念であるが、ご冥福を祈るしかない。 15.「出版人に聞く」シリーズは植田康夫へのインタビュー『「週刊読書人」と戦後の書評史』を終え、井家上隆幸『三一新書の時代』は編集中、原田裕『戦後の講談社と東都書房』は6月末刊行予定である。 《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》 以下次号に続く。 Tweet
…たが、その中で起きている「福島の現実」について知らされていなかった。だがその「ブラックボックス」化していた現実がここにレポートされたのである。 第6話「はじめての1F」で使われている、湯原昌幸の♪「雨のバラード」がとても印象に残り、余韻となってまだ消えていかない] 19.「出版人に聞く」シリーズは井家上隆幸へのインタビュー『三一新書の時代』を終えた。5月は植田康夫『「週刊読書人」と書評の戦後史』を予定している。 《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》 以下次号に続く。 Tweet
出版状況クロニクル71(2014年3月1日〜3月31日)2月の出版物推定販売金額は1530億円で、前年比3.6%減、その内訳は書籍が810億円で同2.8%減、雑誌が720億円で同4.4%減。 返品率は1月よりは低くはなっているが、やはり前年を上回り、書籍は33.7%、雑誌は37.3%と高止まりし、下がる気配は見えない。 1 に1970年からの返品率推移を掲載しておいたが、70年代において、取次によれば、書籍返品率が30%前後であった頃も書籍は赤字で、低返品率と高回転率の雑誌に…
…しかなかった。だが、書評や口コミで評判となり、詩集としてはめずらしいほど売れ、十八版まで数えたという。その出版が契機となって、飯尾は詩書専門の交蘭社を興すことになる。つまり『砂金』の初版は尚文堂版として出され、後に交蘭社版へと移行したのである。 (尚文堂版)その尚文堂の二冊目は野口雨情の『十五夜お月さん』で、こちらは大正十年に初版が出されている。この刊行年からわかるように、尚文堂が交蘭社と社名を変えたのは、恐らく大正十一年からのことだったと思われる。『十五夜お月さん』は『砂金…
出版状況クロニクル70(2014年2月1日〜2月28日)1月の出版物推定販売金額は1082億円で、前年比5.5%減、その内訳は書籍が533億円で同3.6%減、雑誌が549億円で7.2%減となっている。雑誌のうちの月刊誌は418億円で、同5.7%減、週刊誌は131億円で同11.9%減. 14年の出版業界を象徴するかのような最初からの落ち込みであり、返品率に至っては書籍38.0%、雑誌は何と44.7%まで上がっていて、書店売上の深刻な状況が浮かび上がってくる。雑誌返品率はまさに異…
…『敗戦を抱きしめて』(岩波書店)であろう。『理想なき出版』は書評(本ブログ、「消費社会をめぐって」3所収)を求められて書いているし、『出版と政治の戦後史』も近年の刊行なので、読むきっかけになればと思い、つい長くなってしまった] 11.「出版人に聞く」シリーズだが、出版界の最長老ともいえる出版芸術社の原田裕へのインタビュー『戦後の講談社と東都書房』を終えた。 原田は八十八歳と高齢なので、早く出すことを心がけたい。 《既刊の「出版人に聞く」シリーズ》 以下次号に続く。 Tweet
出版状況クロニクル68(2013年12月1日〜12月31日)13年は大きな事件は起きなかったにしても、出版業界は正念場を迎え、14年はあからさまな解体の時期として顕在化してくるであろう。出版危機は本クロニクルで既述してきたように、日本特有の出版業界の歴史と構造に起因するもので、1990年代後半から露出し始め、それは不況という言葉ですまされない状況へと向かっていったのである。そしてこのような出版危機に見舞われているのは日本だけであることも、繰り返し指摘してきた。90年代末におい…